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金融市場異論百出

石巻市で見た被災地の現実
縦割り行政で政策にも遅れ

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年6月8日
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 宮城県石巻市に行ってきた。石ノ森章太郎ゆかりの街である。仮面ライダー、ゴレンジャー、サイボーグ009の像があちこちに立っている。しかし、それらヒーローも今は悲しそうだ。津波で壊滅状態になった地区では、今でも信じがたい光景が広がっている。

 街を見下ろす日和山公園に、誰かが厚紙に最近手書きしたらしい石巻市民憲章がかけられていた。「まもりたいものがある。それは生命のいとなみ、豊かな自然。つたえたいものがある。それは先人の知恵、郷土の誇り。たいせつにしたいものがある。それは人の絆、感謝のこころ」。今回の震災を予期していたかのような憲章だ。

 これまで石巻の人びとは、「人の絆、感謝のこころ」を保ちながら復興に向けて努力してきた。先日、東北地方整備局は雨量200ミリメートル時の浸水シミュレーションを公表。地盤沈下により、50~100センチメートルもの浸水が広範囲で予想されるという。瓦礫や泥を必死になってよけてきた人びとが再び浸水に遭ったら、復興への気持ちが折れてしまうとある市民はとても心配していた。梅雨、台風の季節が来るだけに、早期の対策が望まれる。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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