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金融市場異論百出

米国で盛り上がる量的緩和
効果小さくインフレ懸念も

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年6月15日
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 米議会では与野党間で政府債務残高の上限をめぐり、激しい論争が続いている。米国の経済指標にスローダウンの兆候が出てきたため、欧米のマスメディアや市場関係者の中から、「FRBはQE3(量的緩和策第3弾)を検討すべきだ」という声が出始めている。大規模な財政刺激策を今後実施することは困難だからだ。

 しかし、QE3に期待を寄せる声には、誤解と過大な期待が含まれている。QE3が必要になるということは、QE2が経済成長に効かなかったということでもある。

 FRB幹部は、国債大規模買い入れ策の効果とは、FRBが市場から買った国債を持ち続ける“ストック効果”にあると主張してきた。その観点でいうと、QE2は、今年6月末に終わるわけではない。購入された国債の残高は維持されるからだ。それでも米国経済が息切れするのだとしたら、QE3を導入しても効果はあるのか? という疑問がわいてくる。

 QE2でFRBが供給した資金の行き先を見ると、同政策とはじつはイリュージョンだったことがわかる。QE2で供給された資金のほとんどはニューヨーク連銀に開設された(米国における)外国銀行の口座で退蔵されている。彼らは、同連銀から0.25%の利息を得るためにそれを行っている。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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