ヤンマーホールディングスも採用。立替精算率を3分の1に激減させた間接材購買のデジタル変革の“切り札” とは

「誰が」「何を」「幾つ」「幾らで」買ったか見えない――。多くの日本企業が抱える間接材購買のブラックボックスに、ヤンマーホールディングスはいかにしてメスを入れ、劇的なコスト削減とガバナンス強化を実現したのか。その舞台裏に迫る。

間接材購買は「現場任せ」でブラックボックス化

企業経営において、原材料や部品などの「直接材」のコスト削減は、古くから徹底して行われてきた。しかし、消耗品やオフィスの備品といった「間接材」に目を向けると、状況は一変する。

全産業平均で、企業の売上高に占める間接材支出の割合は約10%に上るといわれている。それにもかかわらず、多くの企業で間接材購買は「現場任せ」になりがちだ 。社員が急ぎの備品を個人の判断で立替払いし、後から精算する。この「立替精算」の常態化こそが、企業の内部統制を揺るがす大きな要因となっている。

「誰が」「何を」「幾つ」「幾らで」購入したのかが、レシートの山に埋もれて可視化されない。この不透明さ故に、不適切な購買や重複発注が防げず、本来得られるはずのボリュームディスカウントも逃してしまう。

世界的な産業機械メーカー、ヤンマーホールディングス(以下、ヤンマーHD)もまた、この課題に直面していた。そこで連結従業員2万人強を抱える同社では、シェアードサービスを担うヤンマービジネスサービス(YBS)を中心に、2013年から間接材のコスト削減活動をスタートさせた。

文房具などのオフィス関連物品についてはカタログ購買を導入し、一定の成果を上げていた。しかし、既存の集中購買ではカバーできない領域があり、多くの立替精算が残っていたため、購買統制が取れない状況が続いていたという。

当時の立替精算は、物品購入総額約5億円のうち約25%を占めていた。このブラックボックスにメスを入れない限り、全社的なコスト削減とガバナンス強化を両立させることはできない。そこで24年3月、同社はこの難題を解決する“切り札”としてAmazonビジネスを導入した。

次ページからは、ヤンマーHDがAmazonビジネスを選んだ納得の理由と、 導入からわずか1年で実現した目覚ましい成果について詳細に紹介する。