生活保護は、社会保障の7つの主要分野の1つとして位置づけられている。総予算が1ケタ違う医療・年金と同列に扱われていることに、まず違和感を覚える。しかし2000年以後、生活保護は社会保障費削減の象徴として、「生活保護がやられるなら仕方ない」というムードメイキングの題材として扱われ続けてきている。

 記述の冒頭には「最後のセーフティネット」「自立の助長」「制度に対する国民の理解と信頼」「適正化(が必要)」とある。政府文書を多数読んできた私は、これらの文言から、「安易に使われては困る」「就労させれば、親族扶養を徹底すれば、必要でなくなるはずだ」「不正受給取り締まりのためなら何をしてもいい」という言外の意味を自動的に読み取ってしまい、思わず頭の中で「そういうことなんですね、わかります!」と反応してしまう。

 生活保護法・制度・保護費に関する今後の方針は、同文書末尾の「改革工程表」に記載されているのだが、「現行制度で実施可能な事項は、早期に検討・実施していくべき」ともある。また、本年2017年に予定されている生活保護基準検証と合わせ、「自立支援の推進などの観点から、生活保護制度全般について検討」「結果に基づいて必要な措置(法改正を要するものに係る平成30年通常国会への法案提出を含む)を講じるべき」とある。これが、5月の社保審・生活困窮者自立支援及び生活保護部会設置に関する“予言“だ。

 生活保護制度改革の具体的内容は、経済財政諮問会議の『経済・財政再生計画 改革工程表(2016改定版)』(2016年12月21日)に記されている。

労多くして益少なし
強制労働へ向かう就労支援

 経済財政諮問会議の『経済・財政再生計画 改革工程表(2016改定版)』には「適正化」「インセンティブ」「産業化」といった文字が並ぶ。意図を読み取るには、これらのキーワードを「削減」「個人・民間の自己責任」「公共は手を引く」と読み替えればよい。

 生活保護に関する改革工程表は、2ページにわたって掲載されている((前掲の画像)。本年実施される予定となっているのは、前年度以前から実施されている「後発医薬品の使用割合を高める(目標:2017年6月までに75%)」「頻回受診者に対する受診指導」「健康管理支援の検討」「就労・増収による生活保護脱却の促進」である。これに加えて、2013年に成立した生活困窮者自立支援制度(2015年度~)の方にも「就労・増収を通じた自立」という文言がある。