【給与を上げない賃上げ】とは? 中小企業経営者が知っておくべき「人材確保」「コストダウン」に効く新戦略

大手が続々賃上げを宣言する中、中小企業の打ち手は「第三の賃上げ」にある。ーー果たしてコストをかけずに従業員の実質手取りを増やす報酬設計とは。従業員満足度を向上させ、「人材確保」を目指す経営者、人事担当者は必見だ。

「人材確保が難しい」「給与を上げたいが上げられない」「コストが重い」

──上記が今、中小企業の経営者や人事を悩ませる大きな課題だ。

 労働人口の減少で人材の奪い合いが激化する中、優秀な人材を採用し、定着させるには待遇改善が欠かせない。

 2025年の春闘では大手企業の賃上げ率は5.38%となり、2年連続で5%台を達成。一方で中小企業の賃上げはというと、正社員の賃上げ率は平均で4%を超えるも、25年度に賃上げを予定している企業で業績改善を伴わない「防衛的賃上げ」は6割以上に達しているというデータもある。
*日本商工会議所の調査より

 このようなデータからは、大企業と中小企業の賃金格差の広がりが読み取れる。

 さらに、給与を上げれば、企業も従業員も社会保険料などの負担が増し、結果的に従業員の“実質手取り”はあまり増えず、企業の利益は圧迫される──そんな構造的なジレンマが続いている。

 そんな中、注目を集めている“ある取り組み”が、こうした状況を打破する可能性を秘めている。
 
 それが、freeeが提唱する【給与を上げない賃上げ】、いわゆる「第三の賃上げ」だ。

 まずはこの図を見てほしい。

【給与を上げない賃上げ】とは? 中小企業経営者が知っておくべき「人材確保」「コストダウン」に効く新戦略*かんたんシミュレーターを参考に概算  https://benefit.secure.freee.co.jp/employee/simulator
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 第三の賃上げの一つ、「借り上げ社宅制度」を活用すると、コスト負担を増やさず、従業員の実質手取りを年間約10万~50万円ほどアップさせることができる。さらに企業側の社会保険料負担もダウンが見込め、今よりもコストを下げることができるという驚きの効果が得られる(金額は年収や家賃、居住地などにより変動)。

本当に可能なのか? どのような仕組みなのか?
また、「ギフト」や「割引」を活用した第三の賃上げとは…。
実際に導入した企業の事例と共に、
会計ソフトを手掛けるfreeeが福利厚生に注力する、その秘密についても深掘りしていく。