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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

懸念される「日本版エクソダス」(脱日本)
政策・制度面に見る物価撹乱要因
――森田京平・バークレイズ・キャピタル証券 ディレクター/チーフエコノミスト

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第31回】 2011年7月20日
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前年比プラスに転じた
消費者物価指数(CPI)

 消費者物価指数(CPI)が前年比プラスに転じている。たとえば、コアCPI(生鮮食品を除く総合消費者物価)は4月に前年比+0.6%と、28ヵ月ぶりにプラスとなった。

 生活コストを表すCPIがどの程度変動するかは、家計の経済厚生を直接左右する。だからこそ、金融政策の担い手である日本銀行は、物価の安定性を判断するに当たってCPIを重視している。

 また、持続可能性が厳しく問われている社会保障制度においては、公的年金にマクロスライドが導入されている。そのマクロスライドを適用するかを判断する際、CPIの変化率が重要な役割を担う。さらに、国が発行する物価連動債は元本がコアCPIに連動する。この点、市場参加者もCPIから目を離すことはできない。

 今後のCPIを展望する際、景気循環だけを見て事足れりとするわけには行かない。むしろ、政策・制度面に目を向けると、無視できないCPI撹乱要因が目に付く。そうした撹乱要因のうち、今回は(1)CPI基準改定、(2)社会保障・税一体改革、(3)エネルギー政策、の3点に注目する。

また「このとき」がやって来る
債券市場参加者が無視できない「5年に1度のイベント」

 また「このとき」がやって来る。債券市場には、こうした思いを強くしている参加者が多いのではないだろうか。5年おきになされるCPIの基準年改定だ。

 総務省は8月26日、現行の2005年基準CPIに替わって、新たに2010年基準CPIを公表する。物価連動国債は元本がコアCPIに連動するため、その価格は基準年改定の影響を直接的に受ける。そのため、CPI基準改定は債券市場参加者にとっても極めて重要なイベントだ。

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島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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