通常国会が閉会となった直後の6月19日(月)、また文科省の内部文書がマスメディアに流出しました。私はこの一事を持って、一連の内部文書の流出は文科省の官邸に対する“クーデター”だと思っています。
なぜなら、その翌日の20日(火)に民進党の加計学園問題に関するPTが開催されることが、すでに決まっていたからです。通常国会の最終盤、そして民進党PTの直前と連続して内部文書が流出するというのは、とても偶然とは考えられません。
それはともかく、今回流出した文書をじっくり見ると、以前に流出した文書との面白い共通点を発見でき、そこから文科省の体質がわかります。
創作では? 文科省から
流出した文書の信頼性は低い
19日に流出した文書は、タイトルこそ“萩生田官房副長官ご発言概要”ですが、松野文科大臣も会見で説明しているように、実際は文科省の局長が萩生田副長官から聞いた内容とそれ以外の周辺の情報をごっちゃにした、文科省職員による創作の文書となっています。
報道によると、その中で加計学園問題の疑惑と直結する内容、すなわち「総理は2年でやりたいとのことだった」「加計学園事務局長を文科省の課長のところに行かせる」という趣旨の発言の事実関係について、この文書を書いた文科省職員は「記憶が曖昧」と説明しているのに対して、萩生田副長官は「そんなことは言っていない」と明確に否定しています。
思い返すと、過去に流出した文書でも同じことが起きています。たとえば最初に流出した文書では、内閣府の藤原審議官が“総理の意向”“官邸の最高レベル”という発言をした旨が書いてありますが、この文書を書いた本人は省内のヒアリングで「細部まで覚えていないが、書いてあるから発言があったのだろう」と曖昧な回答をしている一方で、藤原審議官は国会答弁で「そんなことは言っていない」と、やはり明確に否定しています。