もっとも、中国にも影の部分はある。スマホ決済がこれほど急ピッチで浸透した背景には、マイナンバーの普及がある。身分証明のマイナンバー、銀行口座、携帯電話番号の情報がひも付いて政府に管理されているということだ。

 つまり、「中国での豊かで便利な生活を手に入れるには、まず中国人であることが条件」とある現地駐在員は言う。個人情報を差し出すことと引き換えに、生活の便利さ、豊かさを手に入れることができるというわけだ。

 また、電子決済などITに次ぐ中国の強みとして、「イノベーションを創出する力」「開発力」を挙げる人は多い。

美顔アプリに定評のあるMeituがハードにも進出。日本メーカーの技術が詰め込まれている Photo:DW

 昨年末、アリババ以来、香港市場で最大規模のIPOになったことで有名になった企業がある。美顔アプリを開発しているMeituは、ついに動画でも美顔を維持し続けられるハードウエアまで作ってしまった。

 実は、種を明かせばこのハードウエアは、ソニー製のCMOSカメラと日系メーカーの画像処理技術を融合することで生まれた商品。この「盛りまくる動画ケータイ」の最高機種は10万円近くもするがたちまち人気となり、飛ぶように売れている。

 かつて、“盛る”ことに関しては先駆けだったギャル系雑誌「小悪魔アゲハ」がはやり、ハードウエアを作る力もあった日本でこうした突き抜けたヒット商品が生まれない。