民主党代表選挙の争点

 先日、野田佳彦財務大臣が民主党代表選への出馬の意向を表明した。すでに馬淵澄夫前国土交通大臣も立候補の意思を表明している。早晩民主党の代表選挙が行われることは間違いない。よほどのことがない限り、選ばれた新たな代表は、日本の総理になる。

 では、代表選挙の争点は何か。民主党議員は、どのようなメルクマールで、新たな代表を選ぶのだろうか。人格、見識、決断力、次期通常選挙での顔……いろいろなことが考えられるが、報道によると、社会保障・税の一体改革、端的にいえば、消費税増税が争点になりそうだという。

 すでにその兆候は出始めており、民主党の有力な若手政治家たちが、社会保障・税一体改革に距離を置き始めている。早くも「3年以内には増税しない」と明言する代表選出馬予定候補も出た。

増税の決断を押し付けあう

 6月に予定されていた社会保障・税一体改革案の決定は、異論が続出し、消費税率の5%引き上げの時期について、「2015年までに」から「2010年代半ばまでに」に文言を変えたことは記憶に新しい。これは単なる文言の変更ではなく、増税時期が明確にならなければ法律が書けないので、増税は出来ない、ということ。結局何も決まらなかったということに等しい。

 さらに震災復興の基本方針には、復興財源について、「5年間で10兆円程度の臨時増税を、基幹税(所得税、法人税、消費税)で」という原案があったが、「歳出の削減、国有財産売却のほか、特別会計、公務員人件費等の見直しやさらなる税外収入の確保及び時限的な税制措置により13兆円程度を確保する」と変わった。