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森信茂樹の目覚めよ!納税者

民主党代表選の争点は消費税増税
決断を先送りする政治家たちの無責任

森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]
【第9回】 2011年8月10日
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民主党代表選挙の争点

 先日、野田佳彦財務大臣が民主党代表選への出馬の意向を表明した。すでに馬淵澄夫前国土交通大臣も立候補の意思を表明している。早晩民主党の代表選挙が行われることは間違いない。よほどのことがない限り、選ばれた新たな代表は、日本の総理になる。

 では、代表選挙の争点は何か。民主党議員は、どのようなメルクマールで、新たな代表を選ぶのだろうか。人格、見識、決断力、次期通常選挙での顔……いろいろなことが考えられるが、報道によると、社会保障・税の一体改革、端的にいえば、消費税増税が争点になりそうだという。

 すでにその兆候は出始めており、民主党の有力な若手政治家たちが、社会保障・税一体改革に距離を置き始めている。早くも「3年以内には増税しない」と明言する代表選出馬予定候補も出た。

増税の決断を押し付けあう

 6月に予定されていた社会保障・税一体改革案の決定は、異論が続出し、消費税率の5%引き上げの時期について、「2015年までに」から「2010年代半ばまでに」に文言を変えたことは記憶に新しい。これは単なる文言の変更ではなく、増税時期が明確にならなければ法律が書けないので、増税は出来ない、ということ。結局何も決まらなかったということに等しい。

 さらに震災復興の基本方針には、復興財源について、「5年間で10兆円程度の臨時増税を、基幹税(所得税、法人税、消費税)で」という原案があったが、「歳出の削減、国有財産売却のほか、特別会計、公務員人件費等の見直しやさらなる税外収入の確保及び時限的な税制措置により13兆円程度を確保する」と変わった。

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森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]

(もりのぶ しげき)法学博士。東京財団上席研究員、政府税制調査会専門家委員会特別委員。1973年京都大学法学部卒業後、大蔵省入省、主税局総務課長、東京税関長、2004年プリンストン大学で教鞭をとり、財務省財務総合研究所長を最後に退官。その間大阪大学教授、東京大学客員教授。主な著書に、『日本の税制 何が問題か』(岩波書店)『どうなる?どうする!共通番号』(共著、日本経済新聞出版社)『給付つき税額控除』(共著、中央経済社)『抜本的税制改革と消費税』(大蔵財務協会)『日本が生まれ変わる税制改革』(中公新書)など。
 

 


森信茂樹の目覚めよ!納税者

税と社会保障の一体改革は、政治の大テーマとなりつつある。そもそも税・社会保障の形は、国のかたちそのものである。財務省出身で税理論、実務ともに知り抜いた筆者が、独自の視点で、財政、税制、それに関わる政治の動きを、批判的・建設的に評論し、政策提言を行う。

「森信茂樹の目覚めよ!納税者」

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