「あの人はまったく疲れていないのに、私はどうしてすごく疲れているのだろう」。そんな経験をしたことはないだろうか。それには、実は理由がある。疲れていないあの人は「疲れない行動」をしていて、疲れている人は「疲れる行動」をしていたのだ!
では、どんな行動が疲れを生み、どんな行動なら疲れないですむのか?
日本で唯一の疲労医学の教授・梶本修身氏が、最新科学にもとづく「疲れない習慣」についてまとめた話題の新刊『なぜあなたの疲れはとれないのか?』から、一部抜粋して紹介する。

「長時間、眠れば疲れがとれる」わけではない!

 多くの人は「7時間以上の長時間の睡眠をとれば、それだけで疲れがとれる」と考えるでしょう。

 でも、世の中には5時間や3時間の短時間睡眠で生きているショートスリーパーと呼ばれる人もいます。

 ある実験では、6時間寝る人、7時間寝る人、10時間寝る人がいたときに、一番寿命が短いのは10時間寝る人だったという結果があります。次に寿命が短いのが6時間寝る人、一番寿命が長かったのは7時間寝る人でした。

 ここからわかるのは、睡眠時間は長ければいいというものではないということです。

 つまり大切なことは、睡眠時間の長さでなく、「睡眠の質」なのです。