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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

北九州・アジア環境都市サミットに見た日本の役割とボランティアたちの驚くべき献身

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第74回】 2011年10月13日
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 今、北九州に来ている。2泊3日のスケジュールで、アジア環境都市サミットという国際会議に参加するためだ。小倉駅に近い北九州国際会議場で、北九州市長などのホスト役の関係者のほかに、中国からは、直轄市の天津市(副秘書長ら3名)、重慶市(環境保護局長ら3名)と甘粛省の省都・蘭州市(副市長ら6名)、とタイからはバンコク都、チェンマイ県、チェンマイ市の環境行政担当首長ら数十人、九州または日本国内の環境関連企業約50社の数十人が参加した。来賓には、タイのピチャヤ・プーカマン副天然資源環境相、周海成中国大使館公使参事官、横光克彦副環境相がいる。

 ホスト役をつとめる北九州市の北橋健治市長が初日の11日、「スマートシティ構築への挑戦」と題して、環境未来都市への北九州市の取り組みや実績などを報告し、参加者の関心を引き付けた。

 自由討論の部に移ると、経済成長が続く中で日増しに深刻化する環境問題に悩まされているアジアの都市同士が、それぞれが抱える大気汚染や上下水道処理、ごみ処理などの課題、住民とNPO団体の役割について熱心に意見交換を行い、貴重なヒントを得ているようだ。環境保護と経済成長の両立、持続可能な社会づくりの推進はこのサミットのキーワードとなっている。今回初めて開かれた北九州市と中国・タイの7つの都市の代表によるアジア環境都市サミットはひとまず成功したと評価してもいいだろう。

 ところで、環境問題は守備範囲外の私が、なぜこの会議に顔を出したのか。それを説明すると、話がかなり長くなってしまう。ここで主なところをかいつまんで読者の皆さんに報告する。

 7月上旬、人形町のレストランで、この環境都市サミットの話をはじめて知った。雑談の中で偶然、話題に出てきただけだった。主催準備に取り掛かっていた関係者から、中国から天津など3都市の首長を呼びたいと言う。それを聞いた私は、お酒がある程度入った後のこともあり、つい余計な軽口を叩いてしまった。

 「いや、それではだめです。皆さんが呼ぼうとしている3つの市は全部、中国の沿海部にある都市ですよ。環境問題を切実な課題として悩んでいる内陸部の都市を呼ぶべきでしょう」

 関係者から「なるほど、一理あるかもしれません。しかし、どこを呼べばいいのでしょうか?」とすかさずに突っ込まれた。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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