さらに、頭取経験者をはじめとする重鎮OBは旧行ごとに存在するため、その数は普通の3倍。そのOBが毎年の人事異動のたびに「うちが割りを食った」と、旧行後輩の経営陣に不満をぶちまけるなど、昨今の相談役・顧問問題の先駆け的存在ですらあった。

 一つの会社とはいい難いこの状況を一掃するため、佐藤社長はOBの影響力排除に乗り出す。各旧行の出身幹部が自らの有力OBの元へ出向いて説得。生まれ変わることを宣言した。

 また、みずほFGのガバナンスを「指名委員会等設置会社」という体制に一新。そして、社長・会長として日立製作所の再建を担った川村隆氏をはじめ、実力派の社外取締役を三顧の礼で迎えた。

 さらに、取締役の選任や解任を決める「指名委員会」を全て社外取締役で占めることにまで踏み切った。佐藤社長自身の進退も含めて、みずほFG本体やみずほ銀行などの中核子会社における人事権を社外に明け渡したのだ。

 今のみずほFGには、「常にガバナンスで最先端を走る」(みずほFG幹部)という気構えを持っており、相談役・顧問に関する情報開示の“フライング”もその意識の表れだ。

銀行頭取の早期退任をきっかけに
改革に着手した三菱UFJFG

 そんなみずほFGの後を追って相談役・顧問問題に着手しているのが、同じメガバンクグループ最大手の三菱UFJFGだ。

 きっかけは今年5月、中核子会社である三菱東京UFJ銀行の小山田隆頭取(当時)が、体調不良を理由にわずか任期1年で退任したことだった。

 この時、三菱UFJFGでは、グループ内の旧行の縄張り争いやOB感情を逆なでする、事業再編や銀行名の変更の議論が進められていた。そのため、小山田氏の退任の裏側には、重鎮OBである相談役・顧問と会社の経営方針との板挟みがあったのではないかと取り沙汰されたのだ。