日本人の座っている時間は
世界一長かった!

 ではあなたは1日にどれくらい、何時間くらい座っていますか?

 実際に「自分が座っている時間」を冷静に調べてみると、想像していた以上に長い時間座っていませんか? まずは座りすぎに気づくことこそ、対策の第一歩です。

「座る時間」の自己診断のやり方ですが、あなたの平均的な1日を振り返って、

1.仕事で座っている時間は、何時間くらいか?
2.移動中に(電車や自動車などで)座っている時間は?
3.テレビやスマホの利用、食事など、余暇や団らん時に座っている時間は?

 この3つの場面で、座っている時間をざっくり割り出すのがいちばん簡単です。すると、多くの方は、自分が思っていた以上に座っていたことに気づくでしょう。「1日10時間以上も座っていた」ということも珍しくありません。

 それでも、「私は営業職で座る時間は少ない」などと思って甘く見ている人もいるでしょう。本当にそうでしょうか?

 私が解説者として出演したテレビ番組で紹介された男性Aさんの例です。Aさんは自ら経営する工場と事務所を行ったり来たりする日が多いことに加え、健康のために徒歩通勤までしていました。

 Aさんは一般のデスクワークの人に比べ座っている時間は少ない印象ですが、自己申告ではなく加速度計を装着して1日の座っている時間を調べてみると、なんと1日に約10時間も座っていたことが判明しました。

 午前中の事務作業や営業車を運転している間は座っていますし、帰宅後は食事やテレビの前などでほとんどの時間は座って過ごしていたからです。

 同様に加速度計などを使ったこれまでの調査で、日本人の成人の大多数は、起きている時間の約6割を座って過ごすことがわかっています。

 1日の平均的な座っている時間は8~9時間程度ですが、統計からみて1日8時間以上座る人は、「糖尿病や心臓病にかかるリスクが高まる」とされているので、多くの日本人は、日常的に危険水域、いわゆるデッドラインを超えていることになります。

 さらに、驚くべき事実。日本人は、世界の中でも座る時間が飛び抜けて長いのです。
 これはシドニー大学の研究者らが世界20カ国の成人を対象に行った「平日の座位時間」の調査によるものです。この調査によると、日本人は座る時間が最も長いことがわかりました。つまり、私たちは「世界一座りすぎる国民」だったのです。座りすぎは、もはや国民病なのです。