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露見したオリンパスの嘘と罪
渦巻く疑念と交錯する思惑

週刊ダイヤモンド編集部
2011年11月14日
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ギリシャ神話の聖地「オリンポス山」を支配する全能神ゼウスは、嘘を厳しく罰する正義の神だった。この聖地を社名にいただく不遜な日本企業がついた嘘には、どのような罰が下るのか。マーケットの疑惑の目は周辺の証券会社や監査法人にまで及んでいる。日本の経済史に残る一大不祥事の行き着く先はどこか。 

高山修一社長は11月8日の会見の冒頭、「前回の会見で言ったことは間違いだった」と謝罪
Photo:REUTERS/Toru Hanai/AFLO

 「なぜ“バブルの亡霊”が、今まで表沙汰にならなかったのか」

 11月8日、オリンパスが会見で発表した内容に、当局を含めた多くの関係者が驚愕すると同時に、闇の深さをあらためて感じた。

 これまで不透明なカネの動きがあると問題視されてきた、オリンパスの四つの買収案件。英医療機器メーカー、ジャイラスと、国内ベンチャーのアルティス、NEWS CHEF、ヒューマラボという4社の一連の買収が、“飛ばし”に使われていたというのだ。

 “飛ばし”とは、含み損を抱えた金融商品を時価よりも高い価格で外部に売却し、損失が表面化するのを隠すこと。バブル崩壊後の財テクで被った損失を先送りするのに使われた手法だ。

 オリンパスもご多分に漏れず、財テクの失敗で1990年代から損失の先送りをしていた。それに関与していたのが、菊川剛前会長兼社長と森久志前副社長、山田秀雄常勤監査役の3人だという。

 オリンパスは発覚を受けて、すでに社長の職からはずれていた菊川前会長兼社長以外の2人の処遇を発表。森前副社長は解職、山田常勤監査役からは辞任の意向が示されているとのことだった。

 一連の騒動で、わずか12日のあいだに社長が2回も代わり、1ヵ月足らずで4人もの役員が職をはずれる異例の事態となった。

 その1ヵ月のあいだ、オリンパスは市場を混乱させ続けた。不祥事が明らかになる12日前まで経営陣は、買収案件について「適切に処理した」と疑惑を否定し続け、問題の国内3社の買収意義をとうとうと説明。「3社の事業を育て、治療後のケアや予防なども担う医療の総合メーカーになる」と、ビジョンを語っていたほどだ。

 森前副社長もそのときの会見では、“飛ばし”に対する言及はいっさいなし。菊川前会長兼社長に至っては、公の場に出ることすらなく、説明責任を果たしていないのだ。

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