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だから、僕らはこの働き方を選んだ
【第4回】 2011年12月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
馬場正尊,林 厚見,吉里裕也

やりたいことをやってちゃんと稼ぐ戦略とは?
ビジネスとおもしろさのマネジメント

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会社は本当に拡大していく必要があるのだろうか?単なる利益の拡大だけでは意味がない。社会を豊かにし、新しい価値を生み出し、働く人の人生を充実させる、「本当のマトモ」を組織として追い求める東京R不動産の戦略とは?

平均なんていらない

 これまで連載を読まれた方は、僕らがちょっと変わったヤツらであり、変わったことをやっているからそういう働き方ができるんだ、と思うかもしれない。だけれど、僕らの仕事は実際のところ、国内で数万社もあると言われる不動産屋そのものであって、それほど変わった仕事ではない。僕らのやり方や組織のあり方は、ごくごく一般的な仕事や会社に取り入れてもおもしろい結果を生む部分が多々あると思う。

 第4回は、僕らの「ビジネス」の仕方や戦略についてご紹介しようと思うが、これらもきっと、これからの時代の多くの仕事に当てはまるはずだ。

 僕らの組織は基本的に個人主義的だけど、僕らのビジネス自体も基本的に個人主義だ。それは簡単に言えば、「みんなが求めるもの」を考えて探し当てるのでなく、僕らがいいと思うものを伝える、僕ら自身が望むことをきっかけに社会との接点を見つける、というスタンスのことだ。

 もちろんメンバーはそれぞれ、感覚や判断基準もある程度違うから、統一的な僕らの価値基準はきれいに言葉にはできないし、あえて言語化はしていないのだけれど、「半歩先をいくライフスタイル」といった意味不明な言葉にするよりは正しい方向に進んでいると思っている。

 いやむしろ、自分たちがわかっていることをやる限り、無理に言葉にする必要がないということでもあり、さらにいえば、無理に言葉にすることで本質からズレてしまうことを懸念しているといってもいい。価値観を共有できるチームでやっている限り、そしてその人選を間違わない限りはそんなフレーズは必要ない。

 「東京R不動産」の物件紹介では、個人が記名して、それぞれが主観で文章を書いている。「できれば僕が住みたい大好きな物件」とか、「水回りがこれだけ古いと相当な気合がなければ住めません」といった紹介文も、それが本音である限りはアリだ。見ているお客さんも、だんだんそのパーソナリティを理解していき、自分に合う東京R不動産の担当者はこの人だなとわかってくるらしい。そして、担当者とお客さんという共感しあえた二人の個人が現実に出会ったとき、担当者の思いはお客さん個人の思いと重なって、そこにグルーブが生まれる。

 あるメンバーが見つけていいなと思い、思いを込めて紹介した物件に共感したお客さんがやって来たとき、そのメンバーが出ていって、出会う。会社のミッションでなく、フリーエージェントとして個人の意思で動いている個人が登場する。この流れが大事なのだ。

 個人のリアルなニーズや思いをベースにした仕事は、ブレにくい。それが特殊なものであってもいいし、世の中に幅広く受け入れられるものでも、もちろん素晴らしい。いずれにしても、「平均」を割り出すということが僕らは嫌なのだ。

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馬場正尊 

[Open A代表/東北芸術工科大学准教授/「東京R不動産」ディレクター]
1968年佐賀県生まれ。早稲田大学大学院建築学科修了。博報堂に4年間勤務後、早稲田大学博士課程に復学、この時期に雑誌『A』の編集長を経験。2003年に設計事務所Open Aを設立、ほぼ同時に「東京R不動産」を吉里、林らと始める。著書に、『「新しい郊外」の家』(太田出版)、『都市をリノベーション』(NTT出版)など。

林 厚見 

[株式会社スピーク共同代表/「東京R不動産」ディレクター]
1971年東京生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。マッキンゼー・アンド・カンパニーにて経営戦略コンサルティングに従事した後、コロンビア大学建築大学院不動産開発科修了。不動産ディベロッパーを経て、2004年に吉里裕也と株式会社スピークを設立、現在共同代表。

吉里裕也 

[株式会社スピーク共同代表/「東京R不動産」ディレクター]
1972年京都生まれ。東京都立大学工学研究科建築学専攻修了。バックパッカーとして世界を旅した後、株式会社スペースデザイン入社。リクルート創業者の江副浩正氏の元でディベロップメント事業に従事しビジネスを学ぶ。2003年に独立し「東京R不動産」を馬場とともに立ち上げ、2004年に株式会社スピークを林と共同設立。


だから、僕らはこの働き方を選んだ

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「だから、僕らはこの働き方を選んだ」

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