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高橋洋一の俗論を撃つ!

民主党マニフェストは総崩れ
ツケは増税で国民に回る

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第29回】 2011年12月29日
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 八ッ場ダム建設中止というマニフェストの目玉が崩れ、民主党から離党者がでた。これから、マニフェストに書かれていなかった消費税増税でも離党者がでるだろう。

 八ッ場ダム建設中止の他にも、予算の組み替え、子ども手当、高速道路無料化、後期高齢者医療制度廃止、ガソリン税暫定税率廃止、天下り廃止、公務員総人件費2割削減、議員定数削減、企業団体献金禁止、米軍普天間飛行場と、2009年の政権交代時に、民主党が掲げたマニフェストは完全に崩壊している。

 政治的にいえば、マニフェストを守れないのは、有権者との約束を守らないので悪いという単純な話である。ところが、経済的に考えると、マニフェストには無理筋とか不合理なものもあるので、守れなくて当然というものもある。

 詳しくは拙著『日本の大問題が面白いほど解ける本』(光文社新書)などを参照してもらいたいが、上に掲げたマニフェスト破りの中では、八ッ場ダム建設中止、高速道路無料化、後期高齢者医療制度廃止、ガソリン税暫定税率廃止は、合理性を欠いた政策であるので、守れなかったのは自業自得である。

 ただ、その他の予算の組み替え、子ども手当、天下り廃止、公務員総人件費2割削減、議員定数削減、企業団体献金禁止、米軍普天間飛行場は一定の合理性があり、やろうと思えばできたはずだ。民主党は国会対策などの技術的な言い訳を並べるが、民主党内の政策決定プロセスの稚拙さ、脱官僚から官僚依存への路線転換などの本質的な要因で崩壊している。

民主党はなぜ予算の
組み換えに失敗したか

 まず予算組み替え。これで20兆円捻出して民主党の新規施策を実行すると豪語した。もし予算組み替えができたのであれば、自公政権時代と基本的には一般歳出増額は同じはずだ。民主党政権も来年度で3回目の予算作成になる。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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