一歩進んだ人が購入する
ETFの魅力とは?
NISA(少額投資非課税制度)口座で、全世界株型や米国株型などのインデックス投資信託を積み立てている人は多いだろう。しかし、もう一歩進んで、投資を学びたいと思っている人には物足りなさもあるのではないだろうか。
「長期・分散・積み立ては資産運用の基本ですが、積み立てをしているだけだと、なかなかマーケットの動きに慣れることができません」と語るのは、野村アセットマネジメントの酒井恵利子シニア・マネージャー。
多くの金融商品は安いときに買い、高いときに売ることによって利益を得られる。よって、マーケット全体の一時的な急落は、将来の回復を見込むのであれば絶好の“買い場”だ。実際、“億(おく)り人”と呼ばれるような成功者たちは、急落時に株などを大量に仕入れ、後々回復したところで売ることにより、効率的に資産を増やしている。もちろんそうなるためには、経験値が必要だ。
ただ、「ほったらかし投資からステップアップを目指すのであれば、自分の資産やマーケットの動きをチェックすることから始めるのが良いでしょう。市場は常に変動しますので、慣れないうちは一喜一憂して疲れてしまうかもしれませんが、しばらく付き合っていくと自分とマーケットの距離がつかめてくると思います。一定の経験を積んでおかないと、相場の急変時にも冷静な判断ができなくなりがちです」と、酒井シニア・マネージャーは言う。確かに2024年夏の相場急落時には、慌てて持っている金融商品を売却したり、急落に懲りて投資自体やめてしまったりしたケースも多かったと聞く。
このところ世界的に不確定要素が増えており、マーケットが急変する局面はますます増えそうだ。ゆくゆくは投資の成功者たちに倣って、値動きを見ながら機動的に売買チャンスをつかんだり、リスクを回避したいところだが、その場合に非上場の投資信託は機動性に欠ける。
「投資信託は注文してから約定するまでにタイムラグがあり、売買する時点では約定価格が分かりません。つまり、リアルタイムでマーケットの動きを見ながらの取引はできない仕組みです」(野村アセットマネジメント・笠井玲菜マネージャー)
リアルタイムで機動的に売買する金融商品といえば、株式がすぐに思い浮かぶが、「個別銘柄を選ぶのは難しい」と感じる人もいるだろう。そこでお薦めなのがETF(上場投資信託)だ。
「ETFは投資信託の一種ではありますが、株式市場に上場していて、株式と同様に値動きを見ながらリアルタイムで売買できます。非上場の投資信託と同じように、1本買うだけで複数の投資先に分散投資ができ、しかも少額投資が可能な銘柄も多いのが特徴です」(笠井マネージャー)
機動的な売買と分散投資を両立できるという点で、ETFは株式と投資信託の“いいとこ取り”をした商品といってもいいだろう。ETFの魅力はそれだけではない。野村アセットマネジメントが、ETFの投資経験がある個人投資家にその魅力を聞いてみたところ、以下のような点が挙がってきた(図1)。

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魅力の中で「NISAで購入できる」が1位というのは、値上がり益だけでなく分配金も非課税という理由もありそうだ。また、一部の証券会社では売買手数料が無料であり、非上場の投資信託と比較して信託報酬が低いなど、低コストもETFの魅力のようだ。
50銘柄に分散投資、パフォーマンスは日経平均株価を上回る高配当株ETF
国内ETF市場は拡大の一途をたどっているが、国内籍ETFの中で、残高、本数、売買代金ナンバーワン(※)のETFが、野村アセットマネジメントのETFシリーズ「NEXT FUNDS」だ。25年3月末時点でのETFの数は72本で、日本・米国だけでなくインド株や、債券、REIT、金など投資対象もさまざまだ。
※2025年2月末現在、野村総合研究所 Fundmark/DL、IDS-QE、Quickのデータに基づいたデータ
そして、これらの中でも特に最近人気なのが「NF・日経高配当50 ETF(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信)/証券コード:1489」だ。
「『NF・日経高配当50 ETF』は、日経平均株価の構成銘柄のうち、原則予想配当利回りの高い50銘柄で構成される株価指数への連動を目指すETFです。これらの50銘柄を個別株で買おうとすると約1350万円(25年3月10日時点)が必要になりますが、このETFは1口2000円台で投資が可能です。また毎年銘柄を入れ替えており、しかも信託報酬は0.308%と低水準なので、長期保有に向いているのではないでしょうか」(酒井シニア・マネージャー)

高配当株人気の過熱により、高配当株を投資対象とするETFの種類は増えているが、「NF・日経高配当50 ETF」の純資産総額は、高配当をテーマにした国内上場ETFで最大。気になる分配金利回りは、25年2月末時点で3.3%、また過去5年の平均分配金利回りは3.9%となっている。なお、分配金利回りは1口当たりの年間分配金を1口当たりの基準価額で割って算出するため、下落局面になると必然的に利回りが上昇する。

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また過去5年のパフォーマンスを見ても「NF・日経高配当50 ETF」が連動する日経平均高配当株50指数は日経平均株価の値動きを上回っている。高配当株ETFの魅力は、言うまでもなく高い分配金をもらえる点だが、高配当株指数は高水準の利回りに支えられ、長期的にも上昇している。

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さらにレバレッジ型など一部を除く多くのETFは、株式と同じようにNISAの成長投資枠で購入できる。高い分配金を受け取っても非課税なのも人気が高い一因といえそうだ。
三大メガバンクを含めた銀行株を4万円前後で購入可能!
「NF・日経高配当50 ETF」もそうだが、ETFの機動性を生かすならテーマ型は狙い目だ。
野村アセットマネジメントで最近人気があるものの一つが「NF・銀行業(東証33)ETF(NEXT FUNDS 東証銀行業株価指数連動型上場投信)/証券コード:1615」だ。日本はマイナス金利から脱却して“金利のある世界”に移行。日本銀行の金融政策の動向が注目されているが、この先も利上げ傾向が続けば、銀行の収益は拡大するものと予想される。
「『NF・銀行業(東証33)ETF』は、東証銀行業株価指数(配当込み)への連動を目指すETFで、国内のさまざまな銀行に網羅的に投資することができます。純資産比率は三大メガバンクが圧倒的に大きく、3銘柄で全体の7割以上を占めます」(笠井マネージャー)

三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの三大メガバンクの個別株を1単元ずつ買おうとすると数十万円の資金が必要になるが、「NF・銀行業(東証33)ETF」なら100口4万円前後で買えるので、投資のハードルはグンと下がる。銀行株は全般的に配当利回りが高いので、分配金を受け取りつつ長期での株価の上昇を期待したい人にも適しているのではないだろうか。

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また、3月27日に上場したばかりの「NF・米国株S&P500半導体ETF/証券コード:346A」も今が旬といえるテーマ型のETF。
「米国の半導体企業約20銘柄で構成される『S&P 500 半導体・半導体製造装置35%キャップ指数(税引前配当込み)』への連動を目指す商品です。AI向け半導体企業のエヌビディアを含めて、世界をリードする半導体企業がパッケージになっており、1口2000円前後から分散投資をすることができます」(笠井マネージャー)

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※配当込み指数を円換算して使用。出所:Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成
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分散先を広げるとリスクは下がり、リターンは平均的水準にとどまる傾向がある。逆に絞り込むとリスクは上がる一方で、リターンは大きくなる可能性がある。「NF・米国株S&P500半導体ETF」の場合、投資対象が約20銘柄とかなり絞られているため、リスクは上がるが高いリターンも期待できるタイプの商品だ。
こうしたETFを少額からでも買って、自分の資産がリアルタイムで増えたり減ったりするのを目の当たりにすれば、これまでほったらかしの積み立てしかしていなかった人も、必然的にマーケットと向き合うことになる。
「金利が上がると、マーケットはこんなふうに反応するのか」「こういうニュースが出ると、株価はこんなに変動するのか」など、さまざまな気付きも得られるだろう。「少額投資で実体験を繰り返すうちに、自分に合った投資スタイルを見つけていければベスト」だと、酒井シニア・マネージャーは話す。
野村アセットマネジメントのETFシリーズの名称は「NEXT FUNDS」という。NISAでなんとなく投資を始めた人は多いと思うが、次のステップに進んでみたい人、投資の幅を広げてみたい人は、ETFを通じて、「投資家としてのNEXTステージ」に踏み出してみてはいかがだろう。
野村アセットマネジメントでは、ETFの基礎や銘柄情報がゲットできる特設サイトを用意。今回紹介した各銘柄についても、分かりやすく解説されている。
※記載されている個別の銘柄については、参考情報を提供することを目的としており、特定銘柄の売買などの推奨、また価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
■ETFの投資リスク
ETFは、値動きのある有価証券等を主な投資対象としますので、連動対象である株価指数等の変動、組入有価証券等の価格の下落、組入有価証券の発行会社の倒産や財務状況等の悪化、その他の市場要因等の影響等により、市場取引価格または基準価額が値下がりし、それにより損失が生じることがあります。また組入有価証券は為替相場の影響を受けるものもあるため、為替の変動により基準価額が下落することがあります。したがって、投資家の皆様の投資元金が保証されているものではありません。なお、投資信託は預貯金と異なります。
※ETFのリスクは上記に限定されません。
信託の設定のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
■ETFに係る費用(2025年3月時点)
市場を通してETFに投資する投資家の皆さまには以下の費用をご負担いただきます。
売買手数料
ETFの市場売買には、取扱い第一種金融商品取引業者(証券会社)が独自に定める売買委託手数料がかかり、約定金額とは別にご負担いただきます。(取扱会社毎に手数料率が異なりますので、その上限額を表示することができません。)
運用管理費用(信託報酬)
信託報酬の総額は、次の(1)により計算した額に、(2)により計算した額を加えて得た額とします。
信託報酬は信託財産中から支弁されますので、ETFの保有期間に応じて間接的にご負担いただく費用となります。
(1)信託財産の純資産総額に年1.045%(税抜年0.95%)以内で委託者が定める率を乗じて得た額。
複数のETFのうち、最大の信託報酬率を記載しております。一部、元本ベースで算出するETFもあります。
(2)信託財産に属する有価証券の貸付を行った場合は、その品貸料の55%(税抜50%)以内の額。
複数のETFのうち、最大の品貸料を記載しております。
その他の費用・手数料
ETFに関する租税、信託事務の処理に要する諸費用(外国での財産の保管等に要する諸費用を含みます)、受託者の立替えた立替金の利息、組入有価証券等の売買の際に発生する売買委託手数料、監査費用等、その他の諸費用(受益権の上場に係る費用および対象指標についての商標の使用料を含みます)およびそれらの諸費用に係る消費税等が、保有期間中、その都度かかります。これらは、信託財産中から支弁され、ETFの保有期間中に間接的にご負担いただく費用となります。その他の費用については、運用状況等により変動するものであり、事前に料率や上限額等を示すことができません。
上記の費用の合計額については、投資家の皆様がファンドを保有される期間等に応じて異なりますので、表示することができません。
※ 詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)の「ファンドの費用・税金」をご覧ください。
野村アセットマネジメント株式会社は、ETFについて、直接、投資者の皆さまのお申込みを承っておりません。ETFの投資にあたっては、最寄りの取扱い第一種金融商品取引業者(証券会社)に口座を開設になり、お申込みください。
商号:野村アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第373号 加入協会:一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会
著作権について
■「日経平均高配当株50指数」(以下「日経高配当株50」という。)は、株式会社日本経済新聞社(以下「日本経済新聞社」という。)によって独自に開発された手法によって、算出される著作物であり、日本経済新聞社は日経高配当株50自体及び日経高配当株50を算出する手法、さらには、日経高配当株50の構成銘柄の基礎となる「日経平均株価」に対して、著作権その他一切の知的財産権を有しています。日経高配当株50を対象とする「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」は、投資信託委託会社等の責任のもとで運用されるものであり、その運用及び「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」の取引に関して、日本経済新聞社は一切の義務ないし責任を負いません。日本経済新聞社は、日経高配当株50を継続的に公表する義務を負うものではなく、公表の誤謬、遅延又は中断に関して、責任を負いません。日本経済新聞社は、日経高配当株50及び日経平均株価の計算方法、その他日経高配当株50の内容を変える権利及び公表を停止する権利を有しています。
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