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住宅をめぐる三大リスク
「大地震」×「環境問題」×「資産価値低下」
に強い家

2012年2月16日
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従来、住まい選びの3大要素は「価格」「立地」「間取り」だった。今後はそれらにプラスして「地震」「環境問題」「資産価値の低下」という3大リスクに備える必要がある。とりわけ重視したいリスクへの備えを解説する。

■マンション編■

【地盤】
直接的な被害より、資産価値に影響大

 マンションはボーリング調査を行い、地質や地盤の強度にあった基礎工事を施して造る。軟弱地盤でも地耐力のある地盤まで杭を打つので、巨大地震で地盤が液状化しても、戸建てのように建物が傾くことはまずないと考えられる。

 しかし、問題はその後だ。東日本大震災でも、液状化したエリアでは地下の上下水道管などが寸断され、復旧までに長い時間がかかった。地価も急落、たとえ被害を受けなかったマンションでも、エリアによっては中古取引が停止した。

 予想される東海・東南海・南海地震では長周期地震動が関東平野を大きくゆっくり揺らし、広範囲に液状化現象が発生すると言われている。地震リスクについては、「疑わしきは選ばず」という考え方も選択肢の一つだろう。

 これらのマイナスを承知のうえで購入するなら、基礎、構造、ライフラインが止まったときの防災設備や対策をよく確認したうえで、地盤のマイナスを上回る魅力を備えたものを選びたい。

 地盤に関する情報はウェブサイトの「表層地盤のゆれやすさ全国マップ」(内閣府)や「地形で見る軟弱地盤マップ」(ジオダス)などで提供されている。「都市圏活断層図」(国土地理院)や市町村の「ハザードマップ」にも目を通したい。各自治体の公式サイトからも災害危険度や自治体の防災意識がつかめる。

【構造】
さまざまな視点で、安全性チェックを

 震災以降、ディベロッパー各社は建物の構造や耐震強度に関する各種資料を揃え、説明にも力を入れている。構造に関する情報量は格段に増えたので、ぜひ活用したい。ここでは具体的に安全性をチェックしていく方法を示す。

〔建物形状〕―――――――
新耐震基準は震度6強~7でも建物が倒壊しないレベルであり、損傷の程度についての規定はない。復旧費用や合意形成の難しさを考えると、「損傷しにくさ」も重要なポイントだ。基本的にはシンプルでバランスのよい形状が望ましいが、履行設計のような複雑な形状の場合は、どんな設計上の対策が講じられているかを確認したい。

〔性能表示〕―――――――
各社競い合って耐震性をアピールしているが、客観的な指標としては品確法の「性能表示」がある。耐震等級1は新耐震基準と同等。耐震等級2は新耐震基準の1.25倍、耐震等級3は1.5倍の地震の強さに耐えられるレベル。ただし戸建ての耐震等級3は増えているが、マンションの場合は耐震等級のハードルが高く、等級2と3はきわめて少ないのが現状だ。

〔室内の安全性〕―――――――
建物は無傷でも、家具などが倒れてけがをするケースは多い。今回の地震では、制震構造や免震構造が室内の揺れを軽減することが実証された。特に免震構造は横揺れに効果的で、計算上は揺れの強さを3分の1~5分の1に低減できる。ただし、コストは高い。耐震、制震、免震の選択は建物形状や敷地条件、予算などの総合判断で決まる。その根拠と効果について納得いくまで売り主に説明を求めたい。

〔施工精度〕―――――――
どんな構造も手抜き工事があれば、構造計算どおりの強度は得られない。施工会社の実績や信頼性を確認しよう。最近は工事履歴などの情報開示システムを導入する企業も増えてきた。

 

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