ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
人を動かす心理学
【最終回】 2012年2月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
渋谷昌三 [目白大学教授]

相手の「感情スイッチ」をオンにして
望む結果を手に入れる方法

1
nextpage

人は理屈だけでは動きません。感情でも納得してはじめて動いてくれます。そこで大事になるのが、相手の「感情スイッチ」がどこに入っているかを知ること。感情とは、刺激に対する反応。適切な刺激を与え、相手の感情スイッチをオンにすることができれば、自然と向こうから動いてくれます。

人間は「感情スイッチ」が入りっぱなしのコンピュータだ

 感情に関する研究で名高い心理学者ポール・エクマンは、感情の仕組みをスイッチにたとえてこう説明しています。

 「『どんな感情であっても感じた瞬間に広域放送する準備ができて』おり、どんなときも『スイッチが入っている』状態になっているのが、感情という信号システムの特徴だ」
  というのです。

 人間とは「感情スイッチ」が入りっぱなしのコンピュータ。感情を止めることはできないということですね。

 人は、相手を動かそうとするとき理屈で動かそうとします。

 しかし、相手の心のなかでは理屈よりも先に感情が動いているわけです。

 内容には興味を持ったものの「なんだか気にくわない人だ」と、応諾をしぶったりするのも、人間は感情を通して物事をとらえるからです。

 理屈で納得させるだけでなく、心でも納得させる。感情でも納得させることが、相手を動かすことにつながるのです。

 そこで大事になるのが、相手の感情スイッチがどこに入っているか知ることです。イライラのスイッチが入っているのか、それとも喜びのスイッチが入っているのか。同じ言葉を話しても、相手に与える印象は違ってしまいます。

 感情というのは、刺激に対する反応です。

 相手のスイッチが話を聞き入れづらい方向に入っているなら、まずそれを変えるような行動をとることが大切です。 

相手が喜びそうなことをやってみる

 では、どうやって相手の感情スイッチを入れていけばいいのでしょうか?

 結局は、相手に対して思いやりをもって接することができるかどうか、それが大きく影響してくるのではないでしょうか。

 たとえば、自分の立場や考え方を考慮したうえで話を進めてくれる相手には、人は思いやりを感じます。

 まず、自分から相手のことを好きになることが大切です。

 「好き」という感情は相手の感情にも刺激を与えます。そして自らの行動にもあらわれます。

 相手を動かそうとするよりも、好きな相手が喜びそうなことをやってみるのです。それが、相手の感情スイッチをプラスの方向に切り替え、こちらの言うことに聞く耳をもたせることにつながります。

渋谷昌三(しぶや・しょうぞう) 1946年、神奈川県生まれ。学習院大学文学部卒業、東京都立大学大学院博士課程修了。 心理学専攻、文学博士。山梨医科大学教授を経て、現在、目白大学大学院心理学研究科及び社会情報学科教授。非言語コミュニケーションを基礎とした「空間行動学」という新しい研究領域を開拓し、その研究成果をもとに、現代人に潜む深層心理を平易にユーモラスに解説した書籍で多くのファンを持つ。主な著書に『外見だけで人を判断する技術』(PHP研究所)、『手にとるように心理学がわかる本』(かんき出版)、『好感度200%UPの話し方』(ぶんか社)など。

 

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
自分の時間を取り戻そう

自分の時間を取り戻そう

ちきりん 著

定価(税込):本体1,500円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
生産性は、論理的思考と同じように、単なるスキルに止まらず価値観や判断軸ともなる重要なもの。しかし日本のホワイトカラー業務では無視され続け、それが意味のない長時間労働と日本経済低迷の一因となっています。そうした状況を打開するため、超人気ブロガーが生産性の重要性と上げ方を多数の事例とともに解説します。

本を購入する
著者セミナー・予定
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


渋谷昌三 [目白大学教授]

1946年、神奈川県生まれ。学習院大学文学部卒業、東京都立大学大学院博士課程修了。 心理学専攻、文学博士。山梨医科大学教授を経て、現在、目白大学大学院心理学研究科及び社会情報学科教授。非言語コミュニケーションを基礎とした「空間行動学」という新しい研究領域を開拓し、その研究成果をもとに、現代人に潜む深層心理を平易にユーモラスに解説した書籍で多くのファンを持つ。主な著書に 『外見だけで人を判断する技術』(PHP研究所)、『手にとるように心理学がわかる本』(かんき出版)、『好感度200%UPの話し方』(ぶんか社)な ど。


人を動かす心理学

人を動かす基本は、人に好かれること。ビジネスパーソンにとっていちばん大事なのは、MBAの知識よりも人付きあいのスキル。人間の深層心理を平易にユーモラスに解説する書籍で多くのファンを持つ著者が、相手から信頼され、好かれるための人づきあいの基本を5回にわたって紹介します。

「人を動かす心理学」

⇒バックナンバー一覧