被災地の子ども招待から
吉本興業とのタッグまで

 大相撲春場所は3月11日、大阪府立体育会館で初日を迎えるが、春場所の担当部長になった貴乃花親方が、それに向けて精力的に“営業活動”を行っている。

 話題を集めそうなプランを考え、自ら関係各所に出向いて協力を呼びかけるなどPRに努めているのだ。主なものをあげると……。

・初日の3月11日が東日本大震災発生から、ちょうど1年に当たる日ということから、被災地の子どもたちを招待

・取組終了後は出口で観戦客を見送る

・15日間通しで升席を購入したお客には、貴乃花親方自らチケットを届ける(大阪府内限定・直接対面するのだから、会話や握手、サインをするサービスも当然あり)

・和装の女性客にはテレビ中継に映る席を確保

・春場所直前に行われるJリーグ・ガンバ大阪の試合前、サポーター先着1000人に自らちゃんこをふるまう。サッカーの始球式に当たる「キックイン」を親方が行うプランも

・吉本興業に懸賞金提供などの支援を依頼。吉本新喜劇への出演も予定

 また、今日本で最も動向が注目されている人物・橋下徹大阪市長と面談し、PRの協力を取りつけた。

 言うまでもなく貴乃花は一時代を築いた名横綱である。歴代5位に当たる22度の幕内優勝といった輝かしい記録だけでなく、現役時代はスター性も群を抜いていた。体格でははるかに優る外国人力士、横綱の曙や武蔵丸らとの対戦は大相撲の枠を超え、日本スポーツ界の呼び物でもあった。引退後、朝青龍、白鵬、高見盛など人気力士は登場したものの、現役時代の貴乃花の人気には及ばない。現在、日本で最も知名度のある相撲界の人物といえるだろう。