夢のなかにいたい人と現実を変えたい人の差

はあちゅうさん。反感を買うことに恐れはないですか?【秋元祥治×はあちゅう(中編)】はあちゅう ブロガー・作家。1986年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。在学中に友人と企画した期間限定ブログが1日47万PVを記録し、ブログ本を出版。卒業旅行は企業からスポンサーを募り、タダで世界一周を敢行した。卒業後は、電通のコピーライター、トレンダーズを経てフリーに。「ネット時代の新たな作家」をスローガンに、ネットと紙を中心に媒体を横断した発信を続ける。2017年には初の小説集『通りすがりのあなた』を出版。その他の著書に『半径5メートルの野望』(講談社)、『言葉を使いこなして人生を変える』(大和書房)、『わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか?』『かわいくおごられて気持ちよくおごる方法』(すべて幻冬舎)など多数。月額課金制個人マガジン「月刊はあちゅう」が好評。

秋元 もう1つ聞かせてください。例えば『自分を仕事にする生き方』を読んで素直に考えれば、まず自分でブログぐらいは書いてみようという気持ちになると思うんです。
そこまではっきり書いていないけど「お前ら早くブログぐらい書けよ、こら」みたいな。そこまで言っていないけど(笑)。

はあちゅう 言いたいですけど(笑)。

秋元 だけど大半の人は、はあちゅうという生き方に憧れ『自分を仕事にする生き方』をしたいと思って買うんだけれども、ブログすら書かない人もとても多いじゃないですか。そこで「よしやってみよう」と思う人と、この差ってどこだと思います?

はあちゅう たぶん、あまり差はなくて、結局自分の人生を本当に変えたいかどうかだけじゃないかなと思っていて。人間って変わることが怖いんです。特に30代以降というのは、変わることよりも現状維持することの方が安心してしまうらしいんです。だから今の自分ではない新しい自分になるのが怖くて、心のどこかで言い訳を探して、行動に移さないんだと思いますね。行動に移さないことで自分を守っているのだと思います。
たぶん行動に移してブログをやってみたら意外に難しかったとか、あまりアクセスが上がらなかったとか、ちょっと苦労することは目に見えているんですよね。そういう苦労の未来を見ずに、いつかブログを書いて、いきなりヒットして本とか出せるようになってみたいな夢を描いている方が、自分が快楽を感じられるのでしょう。そういう夢の中にいたい人か、現実に行動を起こしたい人かの差はあるんじゃないですかね。

秋元 何かを始める時に身の回りと比べて思うのは、自分はやっぱり「いい加減だな」と思うんです。周りの人達ってすごい真面目だなと思うのは、始めたらやめちゃダメだって。やるからには続けなきゃダメだと思う人ってわりと多い。
僕自身は今のG-netを始めようかどうか悩んだ時に、やろうと思ったきっかけ自体は、ダメだったらやめていいということに気がついたんですよ。始めても、嫌だと思ったらやめていいんだから、とりあえずやってみたらっていうふうに考えたんです。だから、みんなそこはもうちょっといい加減でもいいのかなと。いい加減って言うと言い方が悪いけど、カジュアルに捉えたらいいのになって思うんですよね。例えばブログなんかを、僕身の回りに勧めても、みんな言うのが「いやちゃんと書けなかったら上げちゃいけないんじゃないか」とか。たしかはあちゅうさんの本ですよね、だって書けないんだったら、「今日は何もなかった」って1行にして終えてもいいじゃん、って。

はあちゅうルールはあまり作りすぎない方がいい

秋元 そうそうそう。勝手に自分でそうやってルールを作っている人達ってとっても多い。

はあちゅう そうですね。もったいないですよね。

秋元 とりあえずやればいいのにって。やめてもいいし、無理なら無理でいいじゃんって思うんですけどね。そういう人がとっても多いなというふうに思ったのは、この本読みながらとっても共感しました。