米中貿易戦争は「出来レース」か、恐れるに足りない理由写真:ロイター/アフロ

トランプ大統領の輸入課税第二弾
日本株は年初来安値へ

 皆さんこんにちは。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。

 米国政府は3月8日に鉄鋼やアルミに対して、新たに輸入課税を行う方針を発表し、22日に、知的財産所有権の侵害を理由とした輸入課税などの検討が追加で発表されました。この政策のターゲットは中国です。

 トランプ大統領による2回の輸入課税の方針の発表を受けて、金融市場は株式を中心に不安定な動きを見せています。その影響は米中だけでなく、日本にも波及しています。

 日本の株式市場はこのところ下落と上昇を繰り返しつつ、下落傾向にあります。その中でも、先週金曜日の3月23日には大きく下落し、日経平均株価は前日比974円(▲4.5%)安となり、年初来安値をつけました。

 今回の大幅下落の直接的な要因の一つは、輸入課税第二弾の発表です。それだけでなく、このところ米トランプ政権では、高官の大幅な入れ替えが行われていることから、政権運営に対する不透明感が強まっており、市場参加者のセンチメントを悪化させていると見られます。

 日本株については、このほかにもリスク回避的な市場の動きを受けた円高に加え、日本企業の業績を毀損するリスクや、国内の森友学園問題による内閣支持率の低下といった点が嫌気されていますが、今回はトランプ政権の政策の影響に注目します。