『週刊ダイヤモンド』4月14日号の第1特集は「外国人投資家が熱視線 オーナー社長最強烈伝」です。「バブル相場」と「AI格差」――。本誌が最近組んだ二つの特集の取材で共に鍵を握る存在として挙がったのが、オーナー社長でした。バブル相場では外国人投資家が評価する存在、AI格差ではAI革命に積極的に対応する存在としてでした。テクノロジーの急速な進化で世界が激変期に突入し、リスクを取って変化に対応するオーナー社長の存在感がにわかに高まっています。

 トヨタ自動車(豊田家)、サントリー(鳥井・佐治家)、キッコーマン(茂木家)、キヤノン(御手洗家)、パナソニック(松下家)──。いずれもが日本経済をけん引してきた超優良企業であり、そして、程度の差こそあれ全社が「同族企業」に位置付けられる企業でもある。

 これは一部の企業に限定された話ではなく、日本の全上場企業の50%以上が同族企業とされる。一般にはあまり知られていないが、日本は世界でも屈指の同族企業大国なのだ。

 しかし、「同族企業は経済を支える主役なのに、同族企業が正当に評価されていない」。そう問題提起するのは、日本経済大学大学院の後藤俊夫特任教授だ。

 後藤教授は5月、そんな世間の無理解に一石を投じる白書を監修責任者として出版する。タイトルは『ファミリービジネス白書2018』。ファミリービジネスとは、和訳すれば同族企業のことだが、日本において同族企業という響きは、ほぼ同義といえるオーナー企業と同様に、ネガティブに捉えられがちだ。

「日本と海外とでは同族企業に対する評価が全く異なる。世界中から同族企業が集まるFBNサミットでは過去、ドイツのコール元首相やモナコのアルベール2世公が臨席して、同族企業への謝辞を述べたほど評価が高い。翻って日本では、当事者が同族企業であると公言することすらはばかられるのが現状」(後藤教授)。