流通大手が世代交代のタイミングを迎えている。セブン&アイ・ホールディングス、イオン、さらにはファーストリテイリングという大手がこの数年内にトップが交代するはずである。セブン&アイは創業家への大政奉還が果たせるか否か、イオン、ファストリは子息への譲位が円滑に進むかどうかが焦点となりそうだ。(流通ジャーナリスト 森山真二)

トップのセンスが重要な流通業
ダイエーの故中内氏はなぜ失敗したのか

 流通業とは、いわば「変化対応業」である。そのためトップのセンスが経営を大きく左右するといっても過言ではない。その点でいえば、ダイエーを創業した故中内功氏は、抜群のセンスを発揮してダイエーグループを数兆円規模まで拡大したが、「子息への譲位」を強く意識したがために、経営の歯車が狂い始めたことでもよく知られている。

 中内氏は「子孫に美田は残さない」と言いつつも、プロ野球球団や果てはリクルート(現リクルートホールディングス)の買収にまで手を広げ、2人の子息に美田を残そうとした。この結果、借入金が“天文学的数字”にまで膨れ上がって苦境に陥り、産業再生機構の支援を受けてイオン傘下入りという結果を招いた。

 中内氏は晩年、「経営はパソコンとパートがあればできる」などとし、自らに諌言してくれる人材を排除していく。こんな発言の内容からして、持ち前のセンスと経営の方向性を見失っていたのかもしれない。

イオンとセブンは数年内にトップ交代か
セブンは創業家に大政奉還!?

 世代交代、禅譲も一歩間違うと大変なことになるが、ダイエーを傘下に入れたイオン、さらにイオンと流通の覇を競うセブン&アイも数年内にトップ交代の局面にあるといっていい。