それでは、生活コストはどうだろうか。やや古いデータだが、全国の51政令都市を対象とした「地域差指数」(2013年、総務省統計局)を参照すると、全国を100としたとき、那覇市は101.2となっている。最も高いのは横浜市で106.0、ちなみに東京都区部は105.9だ。那覇市に対しては、「特に高いわけではなさそうだ」という印象を受ける方が多いだろう。

 しかし食料に限定すると、東京都区部(104.9)や横浜市(105.9)に比べて、那覇市は104.8。特に安いというわけではない。しかも所得が全国平均の3分の2に過ぎないことを考えると、「高っ!」と悲鳴をあげるべき金額だ。

 品目別に見てみると、県外から船や飛行機で運搬される品目で、特に高さが目立つ。代表的なものは白米だ。本土で1本200円のゴーヤが沖縄では2本100円であるとしても、本土では1800円で買えるコメ5キログラムを沖縄では2300円で購入せざるを得ないとすれば、地元農産物が安価に買えるからといって生活がラクになるわけではないことは明らかだろう(政府「小売物価統計調査」(2017年)を参照)。

 ちなみに福岡市出身の私は、沖縄に行く際、福岡市を経由することが多い。午後のフライトで福岡市を発ち、夕方に那覇市に到着すると、「さっき福岡市のスーパーで4個200円で売られていたのと同じトマトが、500円!」と驚くことになる。それでも私には「那覇での今晩のおかずは、福岡で買って行く」という選択肢がある。だが那覇市民は、その地での収入とその地の物価でずっと暮らしているのだ。

生活保護費では住める家がない
沖縄の離島の「住」は東京より深刻

 離島では、さらに状況が厳しくなる。週に数便の船便で運ばれてくる生鮮食料品を、島に1軒しかない商店から購入せざるを得ないとなれば、価格競争は起こりにくい。その商店にも、経営を維持するために値引き販売できない事情がある。したがって、生活コストは“高止まり“しやすい。