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ビジネスマンのための 大学・大学院の歩き方

「学習院大学大学院人文科学研究科 身体表象文化学専攻」
マンガ・アニメーションを文化として批評研究

並木浩一 [ダイヤモンド社 編集委員]
【第26回】 2009年5月26日
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 今回紹介するのは昼間の大学院であり、しかも社会人入試もない。およそ社会人には不向きに思えるこの学校を取り上げる理由は、この「身体表象文化学」という専攻名のさらに下に置かれたある「分野」であり、またこの専攻が2008年に設置されたものだからだ。すなわち社会人3年生以上は、この大学院への進学という選択肢を持たずに卒業したことになるだろう。すなわち今回は「改めて大学院進学」のお勧めである。

 そこまでして取り上げるのは、この大学院は、知っていたら進学したい人間は実に多かったはずだからだ。学習院大学大学院人文科学研究科身体表象文化学専攻の5分野のうちのひとつは「マンガ・アニメーション」なのである。

マンガ・アニメを
批評研究する人材の育成

 そもそも、広義の表象文化論に関係する大学院の専攻は、着々と全国に増えてきている。もともと東京大学の駒場キャンパスに置かれた表象文化論の講座が、多くのアカデミック・スター人材を輩出しながら勢力を拡げているといえばいいだろうか。映画、演劇、美術、舞踊、芸能などおよそあらゆる文化表象をフィールドにするその学問は、ちょっとした時代の寵児である。

 その表象文化の名を掲げながら、カルチュラル・スタディーズの流れに連なるこの「身体表象文化学専攻」が、真っ向からマンガとアニメーションを取り上げる。しかも、置かれる大学は学習院。話題性には事欠かない。
 マンガ、アニメーションを学問分野とする大学がなかった訳ではない。京都精華大学、文教大学などがその先駆ではあるが、学習院大学のこの大学院では、取り組み方がことなる。作者を養成する芸術系の大学のアプローチではなく、「批評研究活動をおこなう人材をシステマティックに育成する」ことを標榜しているのである。鶴見俊輔らによって行なわれてきたマンガを文化として評論する試みが、学問として成立する時期を迎えたことになる。

 世の中の要請との関係でいえば、マンガ・アニメーションのキュレーションが可能な学芸員といった、マンガの国ニッポンですっぽりと欠落している部分を埋める人材を育てる事も視野に入っているだろう。

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並木浩一 [ダイヤモンド社 編集委員]

1961年生まれ。青山学院大学フランス文学科卒、放送大学大学院修了、修士(学術)。編集者・執筆者として長年資格取得のテーマを手がけ、関連の著書に「最新 資格の抜け道」、共著に「『資格の達人」「税理士試験免除マニュアル」(いずれもダイヤモンド社刊)がある。


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