リクルートホールディングスの売上高はこの6年間で2・7倍に拡大、再上場による資金調達と海外M&Aの結果だ。「2030年に人材と販売促進の分野で世界一」という同社の勝算を財務面から分析した。 (「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)

 日本経済が成熟し、人口が減少しているにもかかわらず、売上高が急拡大している企業がある。リクルートホールディングス(以下リクルート)だ。同社は2017年度に初の売上高2兆円超えを実現、時系列で見れば、11年度の同8066億円から17年度は2兆1733億円に拡大している(図2)。

 その原動力になったのは、海外M&A(企業の合併・買収)だ。10年以降、米インディード(買収額1000億円)、オランダのUSGピープル(同1900億円)、米グラスドア(同1300億円)など20件、海外に約6000億円を投じてきた。

 特に成長をけん引しているのがインディードだ。米国発のITベンチャーで、就職業界のグーグルともいわれる。インディードのサイト内で、「東京」「経理」などの条件を入れると、それに合った求人情報が検索できる。求人者がクリックするごとにインディードに広告収入が入る。「広告主は少額でターゲットを絞った広告を出せる」(リクルート担当者)利便性も受けて、17年度の売上高(=HRテクノロジーセグメントに相当)は2185億円、前年度比65%の伸びとなっている(図2)。同社の海外売上高比率は現在、46%に達する。