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金融市場異論百出

FRB緩和策を公然と批判
腰座ったブラジル女性大統領

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年9月5日
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 米フォーブス誌(9月10日号)は「100人の最もパワフルな女性」を掲載、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領をトップに選んだ。

 ブルガリア系移民の中流家庭で育った同氏は、前任のルラ大統領から後継者に指名され、2010年10月の選挙で大統領に当選した。マルクス主義の革命運動家だった1970年代初期に軍事政権下の警察に逮捕され、電気ショックの拷問を受けたこともある。刑務所に3年間入れられ、辛苦で痩せ細ったという。そういった経験を乗り越えてきたが故に、彼女は腰が座っている。

 ルセフ氏は今年4月に米ホワイトハウスを訪問した際、オバマ大統領に対して、「先進国の拡張的な金融政策は、新興国の経済を傷つけている」という表現でFRBの金融緩和策を批判した。それがドル安・レアル高をもたらしてきたことに彼女は公然と不満を述べた。

 日本ではFRBが追加緩和策を行うと、政治家はそれを所与のものとして「なぜ日銀はもっと緩和策を導入しないのか」という批判を日銀に向ける。しかし、ブラジルの場合は、トップがホワイトハウスに乗り込んで、FRBを激しく非難する。この違いはどこから来るのだろうか?

 最大の理由は、米国とブラジルの政治の関係は、米国と日本のそれと根本的に異なっている点にあるだろう。ブラジルは、以前から、中南米における米国に対する「対抗軸」として振る舞ってきた。ブラジルは日本のように米国の安全保障の「傘」の下にはいない。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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