ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
金融市場異論百出

高インフレに悩むブラジルの
中央銀行が賃上げストの怪

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年10月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 民間の年間平均給与の推移を見てみよう(国税庁調べ)。バブル経済前夜の1986年は362.6万円だったが、バブルピーク期の90年には425.2万円に上昇した。その後、経済は下降線をたどるが、平均給与は97年に過去最高の467.3万円を記録。そこから下落トレンドに入り、昨年は409万円だった。名目では88年並み、消費者物価上昇率を勘案した実質では80年代半ば並みの水準だ。1000万円超の給与所得者は97年の263万人から、昨年は178万人に減った。

 また、官民格差是正と財政再建の観点から、公務員の給与も引き下げが続いている。多くの国民の給与が下がり、先行き増えていく期待も持てず、かつゼロ%近辺まで引き下げられた政策金利が消費、投資を喚起しない環境の中で、日銀がデフレを、適度なインフレに転換させることは、一般的には容易ではないと考えられる。

 一方、インフレ率が5%を超えているブラジルを見てみると、インフレ目標は4.5%。インフレ率がそれを上回ってきた主因は、高い賃金の伸びにある。

 ブラジル政府は国民の所得水準向上に非常に熱心で、大幅な最低賃金の引き上げが毎年行われてきた。同上昇率は、2年前の実質GDP成長率に、前年のインフレ率を加えるという計算式で決定される。今年はなんと14%だ(2010年の成長率7.5%、11年のインフレ率6.5%)。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年3月4日号 定価710円(税込)

特集 文系こそ学べ 勝つための絶対スキル データ分析

統計分析 Excel入門 データに強くなる

【特集2】
コーヒービジネス大活況
サードウェーブの次に来る波

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


金融市場異論百出

株、為替のように金融市場が大きく動くことは多くないが、金利の動向は重要だ。日本を代表する日銀ウォッチャーが金融政策の動向を分析、金融政策の動向を予測する。

「金融市場異論百出」

⇒バックナンバー一覧