テレビなど各種メディアで話題となり、日本人の食生活を変えた90万部超の大人気ベストセラーシリーズ待望の最新刊『医者が教えるダイエット 最強の教科書』が刊行される。20万人を診た糖質制限の名医・牧田善二氏が、最新の医学的エビデンスに基づき、最も効果的なダイエット法をわかりやすく解説する本だ。「食欲をガマンしない」「キツい運動はしない」「お酒を飲んでOK」などダイエットの常識が次々と覆される。本稿では、本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
いつまでもやせられない本当の理由は「糖質依存」
日本人でBMI(ボディマス指数)が25を超えれば、医学的には「肥満症」という立派な病気です。
肥満症という言葉は起きている現象を表現しているわけですが、原因にフォーカスすれば「糖質依存症」と言い換えることができます。
糖質依存症の人がどれほどやせたいと望んでも、脳からは逆に「もっと糖質を摂るように」という強い指令が出されてしまい、あなたはそれに従うしかなくなります。
しばらく糖質を摂らないでいると、血糖値が下がってイライラしてきます。
その後、糖質を摂取すると脳の「報酬系」が働き、ドーパミンというホルモンが分泌し、幸せを感じるようになっているのです。
買っているのではなく、買わされている
現代社会は、脳の報酬系によるドーパミンの分泌が極端になり、「糖質依存症」へ突き進む条件が揃っています。
今は多くの食べ物が工業製品となっています。
食品メーカーにとって最も理想的なビジネスは、「消費者が何度もリピート購入してくれる商品」をつくりだすことです。
そのためには「世の中に糖質依存症を増やす」のが手っ取り早いのです。
たとえば、コーラはその典型です。コカ・コーラは、1886年に薬剤師のペンバートンが発明しました。
当初はコカインを含むコカの葉の成分が含まれていましたが、さすがにそれは取り除かれ、今のコカ・コーラはカラメル色素と企業秘密の香料を加えた「ただの砂糖水」です。
原材料費も安く、とても効率的なビジネスモデルです。
もっとも、私はコカ・コーラを非難したいわけではありません。企業活動として利益を追求するのは当たり前のことですし、それはコカ・コーラに限ったことではありません。
・安価でお腹いっぱいになるピザや菓子パン
・冷凍で使いやすい焼きそば、うどん、餃子
・コーンシロップをたっぷり含んだ清涼飲料水
・小麦粉やジャガイモからつくられるスナック菓子
これらは、消費者が喜んで繰り返し買ってくれるから、スーパーやコンビニでも売られているわけです。
「美味しいから繰り返し買ってしまう」というのは表面的な解釈で、「糖質依存症になっているから繰り返し買ってしまう」というのが真実です。
ここに、リバウンドの大きな原因があることに気づいてください。
(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)