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ハーバード・ビジネススクールで学んだ本当に必要な英語力

英語力を身につける前に身につけるべき「伝える覚悟」

児玉教仁 [グローバルアストロラインズ株式会社社長]
【第3回】 2012年11月29日
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 某大手英会話スクールのつり革広告に、こんなのがある。

 アップで写っている女性は「Yes」と言っている。しかし、実は女性は心の中で「本当は、納期や品質面といったリスクがあるけれど、自分の英語力では説明しても伝わらなくてややこしくなるし、ここは黙ってやります」と悲鳴を上げている、というものだ。

 「英語力がなくて言うべきことを言えないと困りますね」「だから、もっとしっかりとした英語を学ばないと、ビジネスなんだから」という、そんな広告なの。

 個人的にはユーモラスな広告で好きだけれど、英語という観点でみると、この広告には二つの大きな欠点があると思っている。

 一つめの欠点は、この広告のシリーズは「完璧な英語を話そう」というキャンペーンであるということだ。この「完璧な英語を話そう」という概念はやっかいだ。

 言語は、本来であれば、下手でもいいから使う。多少間違えてもトコトン喋り抜く。何しろ使って使い倒すことで上達するものである。完璧な素振りができるまでバッターボックスに立つのはやめようといっているような発想ではなく、どんどんバッターボックスに立ちながら、本番で失敗や成功を重ねるなかで上達してく。言語はこの発想で行くべきだ。

 「もっと完璧に、もっと完璧に」と煽るのは「とりあえず使ってみようか」という気持ちをくじく可能性が高い。英語学習においては非常に「いらないお世話」なのである。

 そして、もうひとつの、いや最大のこの広告の欠点は、あたかも、この広告の女性の問題が、「上手に英語を話せないこと」と位置づけていることにある。

 「上手に英語を話せない」→「コミュニケーションを諦めざるを得ない」→「だから英語を学習しましょう、ビジネスなんだから」という図式を成り立たせている。

 しかし、これは大きな間違いであると思う。

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児玉教仁 [グローバルアストロラインズ株式会社社長]

『パンツを脱ぐ勇気――世界一“熱い”ハーバードMBA留学記』著者。

1972年生まれ。静岡県出身。清水東高校を卒業後、1年半アルバイトで学費を稼ぎ1992年に初渡米。ウィリアム・アンド・メアリー大学を卒業。1997年三菱商事株式会社へ入社。2004年ハーバード・ビジネス・スクール入学。06年ハーバードMBA取得後、三菱商事に帰任。2011年同社を退社、国際社会で活躍できる人材の育成を目指したベンチャー企業、グローバルアストロラインズ株式会社を立ち上げる。URL=http://globalastrolines.com

児玉教仁
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ハーバード・ビジネススクールで学んだ本当に必要な英語力

高校時代、英語で赤点を連発した筆者がハーバード・ビジネススクールに入学した。そこで学んだのは、グローバルで活躍するために必要な本物の英語力だった。

「ハーバード・ビジネススクールで学んだ本当に必要な英語力」

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