作業をシステム化して働きやすい環境を提供

TERASS(テラス)に所属する500人以上の不動産エージェントは、全員がフリーランスである。ノルマはなく、オフィスに出社する必要もない。完全リモートワークのもと、“自由な働き方”ができるのが大きな特徴だ。

最先端の不動産テックと人の手によるサポートでエージェントの価値を最大化TERASS所属のエージェント、櫛引大輔氏(左)と竹内幸雄氏

「より多くの収入を得るためバリバリ動く人もいれば、家族との時間やワークライフバランスを確保するため、ボチボチ働くエージェントもいます。自分の価値観や生活スタイルに合わせて働き方を選べるのが魅力です」と語るのは、2021年に同社のエージェントに登録した竹内幸雄氏である。

エージェントが働きやすい環境を実現するため、同社はさまざまなシステムを開発した。例えば、「Terass Cloud」という業務管理ツール。各エージェントが接触した顧客や契約の管理、必要な書類の作成まで、煩雑で時間のかかる作業を効率的に処理してくれる。

「その分、お客さまと会う時間が増え、営業活動に専念できます。余分な事務や時間のかかるペーパーワークなどは極力システム化するという会社の方針なので、エージェントには大助かりです」と語るのは、同じく21年に所属エージェントになった櫛引大輔氏だ。

両氏は、元々は別の不動産仲介会社で活躍するトップ営業マンだった。それがなぜ、フリーランスの道を選んだのか。

「トップになると、いつかは他の人に追い上げられるというプレッシャーに襲われ、心が休まらなくなるものです。もっと気楽に、自分のペースで働ける環境を手に入れたかった」と櫛引氏は語る。竹内氏も「好きな時間だけ働いても、会社や上司から何も言われないフリーランスの自由さが何よりの魅力です」と明かす。

フリーランスのエージェントには、不動産売買を求めて店舗やオフィスを訪れるような新規客との接点がない。そこで同社は、不動産を買いたい人、売りたい人とエージェントを結ぶ「Terass Offer」というマッチングプラットフォームも提供している。

顧客が「静かな住宅街」「駅や商店街に近い場所」といったリクエストを入力すると、希望に沿った物件情報を持つ複数のエージェントが顧客にコンタクトを取る仕組みだ。

こうしたシステムが、所属エージェントの働きやすさと営業成果の向上をバックアップしている。