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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

健全な危機感も忘れずに!
~北東アジアにおける日本経済の立ち位置~
――森田京平・バークレイズ証券チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第97回】 2013年5月15日
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市場の高揚感、堅調な個人消費、
緩慢な生産

 円が約4年ぶりに対米ドルで100円を超える水準に減価した。株価も上がり、市場は高揚感に包まれている。さらに実体経済においても、個人消費が底堅く推移している。それと比べると、製造業や鉱業の生産活動を反映する経済産業省『鉱工業生産』はむしろ緩慢さが目立つ(図表1参照)。

 消費の堅調さに対して、生産はいかにも精彩を欠く。その一因として、消費の軸がモノ(耐久財など)からサービスに移っている可能性が挙げられる。実際、家計の支出対象の内訳を見ると、2011年頃から安定して増えているのは、モノではなくサービスだ(図表2参照)。円安・株高に見る市場の高揚感、あるいはサービスを軸として堅調に増える個人消費に対して、製造業の生産活動の出遅れがが否めない。

 もちろん、こうした状況に対して、円安・株高が始まってまだ半年あまりであり、これから製造業にもプラスの影響が現れるはずだという見方はある。おそらくそうした見方は正しい。

 しかし、北東アジアに目を向けると、日本経済の立ち位置の後退を示唆するいくつかの材料が見えてくる。以下、北東アジアにおける「3つの懸念材料」を見ながら、市場が高揚する中でも健全な危機感を忘れるべきではないことを強調したい。

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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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