ソーシャルゲームやアプリの普及に伴い、このところ“声”の需要が増えている。電子書籍の読み上げ、幼児向けアプリのガイド、WEB動画のナレーションなど、いわゆるリッチコンテンツの進化により、そのニーズは増加する一方だ。
こういった音声に関する仕事は従来、アナウンサー事務所や声優プロダクションが請け負ってきたが、いま、ネットを介して広くクラウドソーシング化されつつある。
「Voip!(ボイプ)」(http://voi-p.com/)は、音声素材に特化したクラウドソーシング。声優、アナウンサー、ナレーターなど、声を売り物にするプロと発注者を結ぶマッチングサイトである。
仕組みはこうだ。声優事務所や専門学校と提携しているVoip!には、1700名の声優が登録されている(6月27日現在)。これらのネットワークを活用することで、多彩なニーズに応じた音声素材をリーズナブルな価格で提供している。
発注者が依頼する場合、まずWEB上でオーディションを実施する。Voip!は、登録している声優に課題セリフ等をメール配信。声優は内容や条件を見てエントリーを決定。自宅で課題を録音し、音声ファイルとして提出する。
発注者はエントリーされた音声からイメージに合うものを選び、契約を結ぶ。ここまでは無料なので、イメージに合う声の主がいなければ利用料は発生しない。
契約後、声優は自宅でPC機材を使用し録音。音声ファイルとして納品する。Voip!側はそれらの音声にノイズ除去、音量統一、エフェクト処理などの整音作業を施して、発注者に納品するという流れだ。
今年1月のサービス開始以来、上場企業の教育コンテンツや、190万件のダウンロード実績を持つ人気アプリなどもこのVoip!を活用するまでに成長を遂げている。