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辻広雅文 プリズム+one

「ダメもと政権交代」の可能性が高まる日本政治の貧困

小林良彰・慶応大学法学部教授に聞く

辻広雅文 [ダイヤモンド社論説委員]
【第42回】 2008年9月3日
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福田首相はなぜ辞めたか。どうして、このタイミングであるのか。政権交代は起こるのか。日本の政治は混乱期を、いつになれば抜け出せるのか。指導者の幼児性と政治秩序の崩壊を思い知らされた首相の唐突な辞任劇について、小林良彰・慶応大学教授に聞いた。(聞き手・辻広)

小林良彰
小林良彰(こばやし よしあき)
慶応義塾大学法学部教授

―福田首相はなぜ辞任したのか。

 辞めたこと自体は、それほど驚くことではない。そういう予感を持っていた人は少なくはないだろう。内閣改造で麻生幹事長が誕生したときから、“禅譲説”もささやかれてはいた。

―それほど、追い詰められていたのか。

 国会運営は、完全に行き詰っていた。ねじれ国会を、衆議院における3分の2の再議決という伝家の宝刀を抜き続けて、何とかかわしてきたが、臨時国会の焦点である給油法案問題では、公明党の反対などもあって、再議決はできそうもない。

 インド洋での給油は同盟国である米国だけでなく、諸外国への影響が大きく、米国との関係のレーゾンデートルに関わっている。一年前、給油継続を各国首脳に約束しながら、参議院の過半数を占めた民主党の小沢代表との協議を拒否されて切羽詰った安倍前首相と同じ状況であり、再議決という手段を奪われた分、さらに厳しい。

―総選挙を乗り切る自信も失っていたのか。

 景気は悪化しているから、選挙対策として各業界の要望にこたえていかなくてはならない。自民党もバラマキ型経済対策を要求し、公明党も定額減税を望んだ。

 しかし、その一方で、財政再建論者は少なくない。バラマキをしたくともできない、厳しい財政状況であるのも事実だ。

 結局、両者に引き裂かれて、何も決着できない。例えば、定額減税は実施を決めたが、その規模を決めることができない。それぞれの思惑が入り乱れ、一度は決めた9月12日の国会召集すら危うくなってきた。

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辻広雅文 [ダイヤモンド社論説委員]

1981年ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属後、エレクトロニクス、流通などの業界を担当。91年副編集長となり金融分野を担当。01年から04年5月末まで編集長を務める。主な著書に「ドキュメント住専崩壊」(共著)ほか。


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