「テキスト文化」が組織の生産性をむしばんでいる──“伝わらない”損失を利益に変える、経営戦略としての「動画DX」

人事部のリソース不足、営業部のプレイングマネジャーの忙しさ、外国人労働者とのコミュニケーション不足……企業で「人材育成」や「ノウハウ共有」の課題は大きい。その解決策となる「動画DX」を紹介する。

業界・部門を問わず「人材育成」に関する悲鳴が聞こえる

「人材育成に力を入れているのに、業績への効果が感じられない」(経営層)
「この研修で社員の理解度は本当に深まっているのか」 (人事部)
「忙し過ぎて、優秀社員のノウハウを部内に共有する時間がない」 (営業部)
「安全研修の質がまちまちで、ヒヤリハットを完全に防げるだろうか」 (建設・製造業)
「外国人労働者研修で細かなニュアンスまでしっかり伝わっているだろうか」(サービス業)

――企業の成長を支える「人材育成」において、経営層から現場まで、このような課題を抱えてはいないだろうか。

 例えば、ある調査では、日本の営業担当者が、ノウハウ共有や人材育成による部の営業力アップなど「本来の営業活動」に費やせる時間はわずか2割強にすぎず、残りの8割弱は社内会議や資料作成、そして「非効率な情報共有」に消えているというデータもある。この「見えないコスト」は、企業の競争力を静かにむしばんでいく。

 この課題を解決する鍵こそが「動画DX」だ。

テキスト文化が招く損失を「資産」に変える【動画DX】5つのメリット

 DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中でも、いまだ多くの日本企業が「紙のマニュアル」や「属人的な対面教育」という旧来の呪縛から逃れられずにいる。しかし、情報伝達力がテキストの数千倍ともいわれる「動画」を戦略的に活用することは、単なる効率化を超えた経営判断となり得る。

 動画配信プラットフォーム「ULIZA(ウリザ)」を提供するPLAYの上坂武氏は、ビジネスにおける動画DXのメリットを、以下5つの観点から鋭く説く。

【1】視覚情報がもたらす「圧倒的な情報伝達力」
 人間の脳が受け取る情報の約80%は視覚に由来するといわれる。
 テキストや音声のみの指導ではこぼれ落ちてしまう「微細な動き」や「現場の空気感」、そして熟練工が持つ「言葉にできないニュアンス」。これらをありのままに可視化できるのは動画をおいて他にない。文字情報の数千倍とも評されるその情報密度が、学習者の理解スピードを劇的に加速させる。

【2】 教育の「標準化・均一化」による品質の担保
 対面教育の最大の弱点は、教える側のスキルや教わる側の受容力によって、教育の質に「掛け算のムラ」が生じることだ。
 動画によって一定の教育プログラムを固定化することは、拠点や担当者によるバラつきを排除し、組織全体のスキルレベルを高い水準で均一化するための最短ルートとなる。

【3】 言語の壁を越える「グローバルトランスフォーメーション」
 外国人労働者の増加や海外拠点の拡大という潮流の中で、言葉の壁は深刻なリスクとなり得る。
 動画に多言語字幕や翻訳を付与することで、現地の言葉を介さずとも正確な技術継承が可能になる。特に製造現場などの「見て覚える」職人技において、動画は言葉を介さない最強の共通言語として機能する。

 次ページではメリット【4】【5】の解説、研修動画の視聴率が約5倍に増加し、教育担当者の工数を大幅に削減した【鴻池組】の例など、成功事例を紹介する。