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富士通 野副前社長
“解任”取り消し動議の全真相

週刊ダイヤモンド編集部
2010年3月6日
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昨年9月、富士通の野副州旦前社長が突然、病気療養を理由に辞任した。本人の説明はないままで、不可解さはぬぐえなかった。5ヵ月が経過した今、その全真相が明らかにされようとしている。野副前社長が富士通現経営陣に「辞任取消通知書」を送付したのだ。そこには事実上の解任である旨が詳述されている。
(「週刊ダイヤモンド」副編集長 遠藤典子)

間塚会長兼社長宛に送られた「辞任取消通知書」。富士通の発表とは異なる野副前社長の辞任理由と経緯が書かれていた

 ここに、「辞任取消通知書」と記された1通の文書がある。

 4ページにわたるこの文書は2月26日付で、富士通の間塚道義代表取締役会長兼社長に内容証明付き郵便として送付された。送付者は前社長であり、現在も相談役を務める野副州旦氏を依頼人とする、代理人の畑敬弁護士である。

 時計の針を5ヵ月巻き戻した昨年9月25日、富士通は突如、「野副前社長より、病気療養のため代表取締役社長および取締役を辞任する旨の申し出があり、これを受理した」と発表した。

 同日午後の記者会見の席上で、代わりに社長を兼務することになった間塚会長も、「今日、会社に来た野副氏から取締役会の前に直接、治療に専念したいため社長の職をまっとうできない、という趣旨のことを言われた。(出社した野副社長が会見に出席しないのは)単に体調の問題だと聞いている」と発言している。

野副州旦
社内の若手改革派や市場関係者の絶大な支持を得ていた野副前社長(現相談役)は、9月25日の社長辞任について、異例の異議申し立てを決意した
Photo by Masato Kato

 その前日まで精力的に動き回っていた社長の突然の病気辞任は、メディアにも、株式市場にも、そして社員にもどうにも不可解な思いを残した。当時、何人もの財界人が、「いったい富士通で何が起こったのか」と口にした。

 この「辞任取消通知書」に記された辞任理由は、富士通の公式発表とまったく異なっている。取締役会の開催前に、「取締役を辞任するよう強要され、やむなくこれを受諾しました。しかし辞任届を作成した記憶はありません」と綴られているのである。

 野副前社長は週刊ダイヤモンド(本誌)の問い合わせに対し、代理人の畑弁護士を通じて、この文書を送付した事実とその記載内容について認めている。相談役に退いた前社長が、現在の会長兼社長に対して、辞任取り消しを求めるという異例の事態が、持ち上がったのである。

密室の解任劇はなぜ起こったか

 細かな経緯に立ち入ろう。

 野副前社長が辞任した9月25日、定例の取締役会は午前9時に開催が予定されていた。出席準備をしていた野副前社長は8時30分頃、本社32階にある来賓会議室に呼ばれた。そこには、間塚会長、かつて社長および会長を務めた秋草直之取締役相談役に加え、社外取締役、非常勤監査役、法務本部長、そして山本卓眞元名誉会長の合計6人が集まっていた。

 野副前社長の主張によれば、取締役会を待たずに、この場で辞任要求を受け入れたことになる。この文書には、来賓会議室でのやり取りが詳細に綴られている。

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