米国の所得格差は過去1世紀で最もひどい状態になっている。2月11日の米下院でのイエレンFRB議長の証言の際、6人の議員が所得不平等を取り上げていた。
大雪で約2週間延期された2月27日のイエレンの上院証言でも、その問題が話題になった。銀行業・住宅・都市問題委員会のジョンソン委員長は、「所得不平等はますます深刻な問題となっており、より多くの家庭が中流から追い出されている」と述べた。
メネンデズ議員も次のように指摘。「過去20年で、トップ1%の所得は86%強増加した。しかし、残り99%の人々は7%未満しか増えていない。今回の金融危機以降、回復局面の3年間で、全体の所得増加の95%をトップ1%が受け取った。一方、実質中位所得は1999年よりも9%も低い水準にある」。その反映で、高級レストランは現在活況だが、中間層向けのファミレスは苦戦中だ。
カリフォルニア大学バークレー校のサエズ教授によると、トップ10%が得た収入の全体に対する比率(税引き前)は、1920年は39%だった。それが28年に49%を超えたところ、直後に大恐慌が起きた。戦後の50~70年代は格差は大きくなく、32~35%で推移したが、80年代から急上昇する。