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今週のキーワード 真壁昭夫

教育分野の黒船に乗り遅れた大学は生き残れない?
オンライン授業「MOOC」の革命的インパクトを思う

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第320回】 2014年4月1日
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最近聞いた耳慣れない言葉「MOOC」
ウェブ上の大規模公開講座とは何か?

 先日、大学教授OBと世間話をしていたとき、MOOC(通称「ムーク」/Massive Open Online Courses)という耳慣れない言葉が話題になった。MOOCとは、簡単に言うと、自宅のパソコンを使って、インターネット上に公開された授業を自由に受講できる仕組みだ。しかも一定の成績をおさめると、大学から修了証をもらうことができる。

 この仕組みは、2010年代の初めにスタンフォード大学で試験的に実施されたのが始まりと言われている。すでにハーバードやMIT(マサチューセッツ工科大学)など、米国の有力大学やわが国の一部大学が、このMOOCのシステムを実施している。

 そうした仕組みは、以前から放送大学などの形で存在していたものの、MOOCのようにインターネットを使った大規模な公開講座の展開は、ある意味では画期的な試みと言える。今まで学校に通うことが普通だった教育のパターンを、根底からひっくり返すほどのインパクトを持つかもしれない。

 実際にこの仕組みを使って、十数万人の人が特定の授業を受講するケースもあるという。また、インターネットには国境が存在しないため、高い費用をかけて海外の大学に留学する必要がなくなる。その潜在的な影響力は大きい。世界的な教育革命につながる威力を秘めていると言える。

 わが国の教育制度は硬直的で、欧米諸国と比較して遅れている部分が多いと言われてきた。今後のMOOCの展開次第では、わが国が世界の潮流からさらに遅れることも懸念される。世界的な流れに乗り遅れないために、これから我々もMOOCの展開に注目する必要がありそうだ。

 以前から、インターネット上で大学の授業内容の一部などを公開する試みは存在した。それは、授業内容を無料で公開することによって、不特定多数の人々に授業に関する情報を公開することが主な目的だった。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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