経営のためのIT
【第15回】 2014年4月11日
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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

CIOが把握すべき10の情報
――可視化と客観性の確保に向けて

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CIOは、企業のIT戦略およびIT運営の最高責任者であるが、同時に経営およびビジネスとITの橋渡しの責務を担っている。今回は、CIOが把握すべき情報という観点から、企業IT運営の可視性と客観性を高める方法について述べる。

国内企業のCIOに関する実態

 ITRが毎年実施している「IT投資動向調査」によると、国内において専任のCIO(Chief Information Officer:情報最高責任者)を設置する企業は一割程度と少数派であり、その状況は2001年の調査開始以来ほとんど変わっていない。

 CIOは、一般的には情報や情報技術に関する意思決定を司る役員を指すが、国内企業では情報システム部門以外のいくつかの本社管理部門をまとめて統括する場合も多く、兼務の比率が高い傾向にある。ちなみに最新の同調査によると、専任のCIOを設置する企業は10.1%、兼任のCIOがいる企業が36.4%であるが、CIOが存在しない企業が53.5%と半数を超える結果となっている(図1)。

 CIOが存在しない企業では、情報システム部門長が実務的な意思決定を下し、経営判断が必要な意思決定は社長や経営会議などが下すという運営となろう。もちろん、CIOが存在する場合であっても、経営判断が必要な事項は経営会議などに諮問するのが一般的だが、中心的な責任を担うのはCIOとなる。

 国内企業においては、専任・兼任を問わずCIOは必ずしもITの専門家でない場合が多い。現CIOがこれまで最も長く経験した業務として情報システムをあげている企業は3割に満たず、大半のCIOは経営・業務管理、営業、財務といった非IT業務の経験者が占めている。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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