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知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴

おくすり手帳を断って20円節約するより、
ダメ薬局とサヨナラするほうが先決!

早川幸子 [フリーライター]
【第77回】

 前回は、「おくすり手帳」誕生の経緯を紹介した。

 今でこそ、「おくすり手帳」への情報提供は調剤報酬の対象になっているが、誕生した当初は無報酬。薬の相互反応による事故を未然に防ぐアイテムとして、埼玉県の朝霞地区の薬剤師たちが知恵を出しあって作り上げたものだ。

 その後も、「おくすり手帳」は改良が重ねられ、最近ではとくに注意が必要な薬剤を服用している患者の手帳の表紙に「注意事項シール」を貼って、薬物による事故をなくす工夫をしている地域の薬剤師会もある。

 その注意事項シールのひとつに、ビスホスホネート系薬剤への注意喚起を促すものがある。

骨粗しょう症の薬の副作用
顎骨壊死を防ぐ「おくすり手帳」

 ビスホスホネート系薬剤は、がんの骨転移やカルシウム血症の治療に使われているが、骨粗しょう症の治療で服用している高齢者も多く、身近な薬剤だ。

 このビスホスホネート系薬剤を投与すると、副作用として、まれに顎の骨が腐って細菌感染して「顎骨壊死(がっこつえし)」という症状を引き起こすことがある。顎骨壊死になると、歯茎が腫れて膿が出て、顎に猛烈な痛みが走る。治療しても完治は難しいとされている。

 顎骨壊死は、ビスホスホネート系薬剤の投与が単独理由で起こることもあるが、とくに注意が必要なのは、抜歯や歯槽膿漏などの歯科治療、顎周辺への放射線治療、がんの化学療法やホルモン療法などを行っている患者。これらの治療を受けていない人に比べると発症確率は格段に高くなる。

 そのため日常的に抜歯や歯槽膿漏の治療を行っている歯科医院では、問診票で服用中の薬剤の確認をしたり、待合室に注意喚起のポスターを貼ったりして、ビスホスホネート系薬剤による顎骨壊死を防ぐように注意を払っている。

 ただし、本人がどんな薬を飲んでいるのか分からないこともあり、そのときに役に立つのが「おくすり手帳」だ。歯科医師や歯科衛生士は、「おくすり手帳」で患者の服用薬をダブルチェックしている。

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早川幸子(はやかわ・ゆきこ) [フリーライター]

1968年、千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、99年に独立し、以後フリーランスのライターとして女性週刊誌やマネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。現在、ダイヤモンドオンライン「知らないと損する! 医療費の裏ワザと落とし穴」、医薬経済社「ウラから見た医療経済」などのウェブサイトに連載中。13年4月から朝日新聞土曜版be on Saturday(青be)の「お金のミカタ」を執筆。「日本の医療を守る市民の会」発起人。


知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴

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