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本当はよくわかっていない人の2時間で読む教養入門  やりなおす経済史
【最終回】 2014年11月4日
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蔭山克秀

中国はなぜ日本を超える経済大国になったのか?
3分で読む教養としての中国現代史
最終回 毛沢東から習近平までの国づくり

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今や“世界第2位の経済大国”となった中国。バブル景気に浮かれる様子を斜めに見るしかない日本にとって、この国はいつの時代も近くて遠い国だ。日米欧三役そろい踏みで負傷中のなか、「眠れる獅子」はなぜ目覚めたのか? 戦後の国づくりから今日のバブル、今後のチャイナ・リスクまで、教養として最低限知っておきたい中国の現代経済史を、代ゼミの人気No.1講師が面白くわかりやすく教える。

毛沢東は革命の天才だが、国づくりは下手くそ

 最終回は、日米欧に代わる新興国の台頭、新しい世界の組長になる可能性を秘めた、躍進中の中国の経済について取り上げてみよう。

 「中国が伸びてきたね~」なんて言い方をしていたのは、今や昔の話。もともと基礎体力のある国(人口が多い・国土が広い・資源が多い)だけに、伸び始めると速い。今の中国は分野にもよるが、トータルで日本より前を走っている。“世界第2位の経済大国”という日本人お気に入りの称号も、2010年にGDPを抜かれて以降、今や彼らのものだ。

 でも、アヘン戦争の頃から“眠れる獅子”が得意技で、ずーっとそのデカい図体を持て余していたはずの中国が、一体何がきっかけでここまで“目覚めた”のか!? それをこれから考えてみよう。

 戦後中国は、毛沢東によってつくられた。毛沢東は、革命の天才であり、中国建国の父だ。彼は戦時中、植民地化が進む中国内で宿敵・蒋介石の国民党と手を組み(=国共合作)、日本軍に抵抗した。

 そして、第二次世界大戦が終わるやいなや、今度はその国民党と戦い(=国共内戦)、勝利した。そして蒋介石ら資本主義の国民党一派が台湾へ亡命した後、ついに1949年、中華人民共和国の建国を宣言した。社会主義の中国の誕生だ。

 ここまではよかった。だが、ここからがいけなかった。実はこの毛沢東、革命の天才ではあったが、国づくりはものすごく下手くそだったのだ。毛は1956年、「百花斉放百家争鳴」を提唱した。これは“共産党への批判を歓迎する”という運動で、ソ連でフルシチョフが、死んだスターリンを批判し始めたのとほぼ同時期に始まった。

 ということは、毛沢東はそこから“ソ連型の抑圧政治は反動がキツい”と感じ取り、それを反面教師にして、中国を国民誰もが思ったことを口にできる「開かれた社会主義」にしようと思ったわけだ。なるほど、さすが毛沢東。

 しかし、いざフタを開けてみると、まあ出るわ出るわ、毛の予想をはるかに上回る“共産党批判”が噴出した。毛沢東はそれにカッとなり、「反右派闘争」と称して悪口言っていたやつらを片っぱしから探し出し、粛清した。

 ヒデぇ、ムチャクチャだよこの人。「絶対怒んないから本音を聞かせろ」と言っていたくせに、聞きたくない本音が出てきた途端、お前らクビだと騒ぎ出すバカ社長みたいだ。ケツの穴ちっちゃいなら、でかいフリなんかしちゃダメだ。一回こんなことをやると、もう誰も本音なんかしゃべらなくなるぞ。

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 代々木ゼミナールで圧倒的な人気を誇る公民科No.1講師。政経だけでなく倫理、現代社会もこなし、3科目すべての講義がサテライン衛星授業として、全国の各代ゼミ校舎に映像配信されている。語り口の軽妙さ、板書の確かさ、内容の面白さとわかりやすさで他の追随を許さず、生徒たちからも「先生の授業だけ別次元」と高い評価を受ける。参考書や問題集の執筆も非常に多く、合計20冊近く刊行されている。代表作は『人物で読み解くセンター倫理』『蔭山のセンター現代社会』(以上、学研教育出版)、『蔭山克秀の政治経済が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)など。

 なお本書にも書いてあるが、大学時代は麻雀とパチスロに熱中しすぎて3年留年。おかげで就職活動がバブル崩壊元年にずれ込んで凍死するという、絵に描いたようなクズ学生だった。その後、塾講師を経て代々木ゼミナール講師に。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。愛媛県新居浜市出身。


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