先日、大阪のとあるテレビ局の番組に出演した。番組の内容は「中国崩壊への3つのシナリオ」をテーマに設定している。いただいた番組の概要には、「APEC首脳会議を前にまことしやかに語られ始めた『中国崩壊』について、徹底的に大討論します」と書かれている。しかも、出演するゲストにその「中国崩壊」に関するアンケート調査をとっている。調査内容は次の質問のようなものだ。


「第2の天安門事件が中国を崩壊させる!?」
「経済悪化が中国を崩壊させる!?」
「中国人のモラルの無さが中国を崩壊させる!?」

 ちなみに、第2の天安門事件は学生ら一時10万人を集めた香港の民主化デモのことを指すものだ。

強まる他力本願

 バラエティ番組の性質を考えると、その内容については別にあれこれ批判を加えるつもりはない。ただやはりかなり前に自分の書いたものを想起せざるを得なくなった。2010年8月26日、このコラムに、私は「他力本願の日本が好む 中国経済崩壊論という自己矛盾」という一文を書いた。文中、下記のように論じている。

「1995年、日本の一部の政治家や学者は『中国を封じ込めよ』と元気のいいスローガンを口にしていた。現実性がどれほどあるかはさておき、空いばりとは言ってもそこにはまだ元気さがあった。しかし、いつの間にか、そんなことを言える体力も今の日本にはなくなり、相手が自ら都合よく崩壊してくれるのを首を長くして待ち望むばかりだ。日本はここまで他力本願の国になるとは思いもよらなかった。情けないと言うほかない。

 中国経済にあるバブル的要素は看過できない。経済の軟着陸を目指しているその中国のことはむしろ応援すべきだ。中国経済が崩壊したら、その中国市場に依存度を増している日本はたちまち『失われる30年』に突入する。しかし、それでも中国経済崩壊を期待する声が日本に根強くある。これでは、広告のない駅や空き店舗ばかりの町がこれからも増え続けるだろう。」