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東電から“逃亡希望者”殺到
動きだした火力新会社の内実

週刊ダイヤモンド編集部
2014年11月18日
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 「欲しいのは価格の低減、それが第一です」──。11月6日、東京都内のホテルで、英国のエネルギー会社BGとの交渉に当たる東京電力と中部電力の燃料調達担当者の姿があった。火力発電の燃料である液化天然ガス(LNG)の新たな契約に向けた交渉に、両社の担当者がそろい踏みしたのである。

火力部門を本体から切り離し、中部電との提携で新たな成長を目指す東電。だが新会社をめぐり、社員の間では別の思惑もうごめく……
Photo by Jun Morikawa

 東電と中部電がこうして連携するのは、10月に両社の火力発電分野の「包括アライアンス」の基本合意が締結されてからのこと。年度内に折半出資で合弁会社を設立し、燃料部門の事業統合を進める予定で、地域の垣根を越えた提携へ少しずつ歩を進めている。

 新会社の使命は明白だ。日本は従来、LNG調達で他国より高値つかみをさせられている経緯があり、その価格の低減を図ることだ。

 この夏、東電が契約を更新したばかりのマレーシアの案件でさえ、「以前よりは安いが、他国が買っている値段よりはまだ高い」(東電関係者)。東電・中部電両社のLNG調達量を合わせれば、4000万トンに迫り、韓国ガス公社を抜いて世界トップとなる。「調達量が多ければ安く買えるものではないが、戦略的に動けばコストを下げられる」(中部電関係者)というのが重要な狙いの一つだ。

 実は今、世界のLNG取引は重要な分岐点を迎えている。日本は年間約9000万トンと、世界一の輸入国だが、そのうちマレーシアやカタール、ロシアのサハリンといった地域からの約4000万トン分の長期契約が、今年から来年にかけて契約の更改を迎えるのだ。

 契約更改は、価格の改定が条件に含まれることが多い。価格交渉を含めた火力発電の効率化には、以前から中部電が長けており、新会社でいかに交渉能力を高められるか、早速腕試しとなりそうだ。

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