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武器としてのビジネスモデル思考法
【第6回】 2014年12月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
川上昌直 [兵庫県立大学経営学部教授]

全社戦略で「感動価値」にこだわり
お客様と長期的な関係を築いていく

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スポーツ小売業国内最大手のゼビオは「感動価値」に強いこだわりを持っている。それはどのようなものだろうか。また、お客様と長期的関係を築くために心がけていることは何か。前回に引き続き、代表取締役の諸橋友良氏に詳しく聞いた。

諸橋友良社長(右)は「お客様1人ひとりの人生のキーポイントにスポーツがかかわる可能性が高い。だから、感動にはこだわりたい」という(対談日:11月17日)。

スポーツ用品は
商品1つひとつに感動の物語が込められている

川上:ゼビオのビジネスモデルは、「組織がベクトルを合わせてスポーツを産業化し、お客様に感動を与えていく仕組み」ですよね。「顧客価値」は「感動を与える」に集約できると思いますが、なぜ諸橋さんは「感動」にこだわるのでしょうか。

諸橋:スポーツ用品は、野球グローブ1つとってもそれを買った人にはドラマが生まれやすいんです。例えば、中学校で野球部に入部した男の子が野球グローブを買ったとします。買った当初のグローブは硬いので柔らかくしないといけません。だからグローブにボールをはさんで、それが落ちないように紐で縛って枕代わりにして寝て、後日いよいよ使う……というドラマがあるわけです。商品1つひとつに感動の物語が込められているんですよね。

川上:その子が大きくなって結婚してからも、自分の子どもに野球部時代の話を聞かせたり、一緒にキャッチボールをしたりと長期に渡って物語は続きますね。

諸橋:そうなんです。お客様1人ひとりの人生のキーポイントにスポーツが関わる可能性は高い。だから「感動」にはこだわりたいし、私たちスタッフも、たった1つの道具でも、それが感動を与えることを理解した上で販売したいと思っています。

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川上昌直 [兵庫県立大学経営学部教授]

兵庫県立大学経営学部教授 博士(経営学) 1974 年大阪府出身。 01 年神戸商科大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得。 同年、福島大学経済学部助教授(呼称変更により准教授)に就任。 08 年兵庫県立大学経営学部准教授を経て、12 年より現職。 初の単独著書『ビジネスモデルのグランドデザイン 顧客価値と利益の共創』(中央経済社)は、13 年に日本公認会計士協会・第41回学術賞(MCS賞)に。 著書に『儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書』『課金ポイントを変える 利益モデルの方程式』(以上、かんき出版) 『まず、のび太を探そう!』(翔泳社)など。 http://wtp-profit.com


武器としてのビジネスモデル思考法

ビジネスモデルとは「儲ける仕組み」のこと。顧客を喜ばせながら、同時に企業が利益を得る仕組みといえます。本連載では、ビジネスモデルを専門とする気鋭の経営学者と、実際に実業界で活躍されている経営者の方々との対談をとおして、新しい儲ける仕組みを生み出す「ビジネスモデル思考」の勘所を明らかにしていきます。「顧客が喜び、利益も上がる」ハイブリッドな思考法が学べます。

 

 

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