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儲かる会社をつくるには赤字決算にしなさい
【第2回】 2015年1月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
井上和弘 [ICOコンサルティング会長]

赤字決算でも、
銀行の評価が下がらないのはなぜか?

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赤字決算というと、なんだか悪いことのように思われるが、決してそんなことはない。損益の種類にはいろいろあり、そのなかで営業利益さえ黒字にしておけば、最終利益が赤字になってもかまわない。常識にとらわれないことで、会社にお金を残そう。

固定観念を捨てて
赤字決算のうまみを知ろう

 私はもうかれこれ30年近く、後継者のためのセミナー(日本経営合理化協会主催「後継社長塾」)の塾長を務め、これまで500社ほどの中小企業の後継者と接してきました。毎月1回、1泊2日のセミナーを開催し、参加費236万円をいただく、日本一高い後継者育成セミナーですから、そこに送り込む企業もお金持ちの優良企業ばかりです。さぞかし、社長も後継者も大変優秀なのだろうと話を聞いていくと、意外にびっくりすることが多いのです。

 後継社長塾でも、当然、私の主張を講義します。

 「赤字を出して、キャッシュ(お金)をためなさい! そのためには、こうしなさい!」とアドバイスすると、次の講義の際に、後継者が顔を曇らせながら、こう言うのです。

 「先生、社長から猛反対されました。『うちは創業以来、一度も赤字を出したことがない。とてもじゃないが、赤字なんて出せるか。そんなことをしたら、銀行に見せる顔がないだろ! お前はバカか!!』と怒られたんです」

 こう返ってくるではありませんか。とくに、古い時代の経営者になればなるほど、こういう返事が多いですね。

 赤字を出しても、きちんと説明すれば、銀行もわかってくれます。私の主張に猛反対する経営者に限って、利益や赤字にはいくつか種類があることをご存じないのです。さらに、利益を無理やり出すために帳簿を操作したあげく、税金まで支払おうとする経営者がいますが、それは愚の骨頂です。

 「先生の顧問先は、優秀な企業が多いですね。本当にうらやましい」

 お付き合いのある弁護士や税理士から、よくこう言われます。確かに、私が長年お付き合いしている企業は、収益性が高く、財務体質も健全な優良企業ばかりです。私は、中小企業のコンサルタントとして、45年にわたり「どうしたら企業にお金がたまるか」を真剣に考え、指導してきました。私の指導方針を理解し、素直に実践してくれた企業が、結果的に優良企業になっているのです。

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井上和弘 [ICOコンサルティング会長]

アイ・シー・オーコンサルティング会長。1942年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業。大手コンサルティング会社を経て、独立。企業再建の「名外科医」として、赤字会社の中に入り込み、社長や役員を叱りとばしながら思い切った手を果敢に打って短期間に収益を回復させる。カネ回りのよい仕組みづくりで、衰退産業でも儲かる経営に変えている。経営指導歴45年、これまで450社を直接指導。オーナー社長のクセを知り尽くし1社もつぶさず、一部上場はじめ株式公開させた企業も十数社にのぼる。その実力と人柄に惚れ込んだ社長は数多く、長年の信頼感から後継子息を託す人が後を絶たない。「後継社長塾」「経営アカデミー」(日本経営合理化協会主催)など、日本一高いといわれるセミナーを開いても、常に満席になる人気講師でもある。著書に『社内埋蔵金をお金にする知恵』(中経出版)、『だから、あなたの会社は倒産する』(PHP研究所)、『カネ回りのよい経営』『儲かるようにすべてを変える』(日本経営合理化協会)、『企業は腰できまる』(ダイヤモンド社)などがある。


儲かる会社をつくるには赤字決算にしなさい

利益は出ているのに、なぜか会社にお金が残らない。お金(キャッシュ)を残すには、収入を上げるか、支出を減らすしかない。国内人口が減少 し、海外との競争が激しくなる中で、収入を増やすことは困難だ。一方、支出を減らして資金流出を抑えることは意外に簡単にできる。普段はあま り気にしない「借入返済」と「税金」という2大キャッシュアウトを抑えれば、お金持ち会社に変身できる。

「儲かる会社をつくるには赤字決算にしなさい」

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