公務員講座など資格試験の専門家にして弁護士の豊泉裕隆が、公務員への就職・転職を目指す人のために、役立つ情報を提供する連載。今回は、リストラがあたりまえになったこの時代の、公務員の安定した地位について、です。

 みなさんこんにちは、弁護士の豊泉裕隆です。

 第5回の連載予定、遅れてしまいました。楽しみにしていただいた読者の皆様、本当に申し訳ありませんでした。

 それでは本題に入らせていただきます。今回は「公務員のおいしさ」の第三弾です。テーマは、地位の安定です。

 突然ですが皆さん、民間企業で怖いものといえば何でしょうか? え、上司? 確かに怖いかもしれませんね(笑)。それはさておき、民間企業で怖いものといえば、リストラ(整理解雇)ではないでしょうか?

 もちろん、企業側もやりたくてリストラをするわけではありません。本当は社員みんなで頑張って行きたくて、でも経営が困難になってしまって、断腸の思いでリストラをするんだと思います。ただ、そうは言っても、民間企業においてリストラの可能性は否定できません

 では、公務員の場合はどうでしょうか? 国家公務員法75条は、「職員は、法律又は人事院規則に定める事由による場合でなければ、その意に反して、…免職されることはない。」と規定し、公務員の身分保障を定めています。

 地方公務員法27条にも類似の規定があります。そして、法律や人事院規則にリストラを認めた規定はありません。つまり、公務員にリストラはないということです。

 このように、一度なってしまえばリストラされることもなく、地位が安定するというのが、公務員のおいしさの一つです。もちろん、犯罪行為などをして懲戒解雇になれば話は別ですが、これは民間企業でも同じですからね。

 ところで、弁護士の地位って安定しているんでしょうか? 最近の勤務弁護士は、3年くらいの期限付で採用されることが多いようです。弁護士増加の影響もあって、1つの事務所あたりの仕事量は減ってきていますから、長期間弁護士を雇い続けるのは大変なのかもしれません。まあでも、弁護士の場合は最終的には独立っていう風潮がありますから、あまり地位の安定にはこだわらない人が多いと思いますが。

 ちなみに、所長とソリが合わなかった弁護士が、突然、来月から来なくていいって言われたという噂を聞いたことがあります(汗)。まあ、これは極めてレアなケースでしょう。ただ、弁護士の場合は法律で身分保障がなされているわけではないので、こんな事態もあり得るといえばあり得ます。そう考えると、公務員の地位の安定というのは、たいへんな魅力だと言えるでしょう。

 次回は社会的評価という観点から、公務員のおいしさについてお話させていただきます。アップは1月30日(金)の予定です。それではみなさん、次回も是非ご覧ください。