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若手選手の7割が「将来に不安あり」
プロ野球は夢を売れない商売になったのか

相沢光一 [スポーツライター]
【第88回】 2010年1月26日
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 日本野球機構(NPB)が選手に対して行ったアンケートの結果が報道され、話題になっている。

 アンケートのテーマはプロ引退後の「セカンドキャリア」についてで、対象者は昨年10月に行われた秋季教育リーグ「宮崎フェニックスリーグ」に参加した選手217人(平均年齢23.4歳)。

 主に報道されたのは「引退後の生活」と「引退後の希望進路」で、生活に不安があると答えた選手は74%にのぼった。希望進路の1位は高校野球指導者。「最もやってみたい仕事」としてあげた選手は24%で、「興味がある」という答えを含めると、その率は73%にのぼる。

 記事の多くは、憧れの職業であるはずのプロ野球選手の4人に3人が将来に不安を抱えているという論調だった。実はこのアンケートは07年末から行われており、過去の結果でも同様の数字が出ている(07年の調査では、生活に不安があると答えている選手の率は今回より高い76%だった)。

若くして高給を得ると
引退後の備えより華美な生活

 今回、アンケート結果が報道され注目を集めたのは、大不況により多くの人が生活や雇用の不安に怯えている現状があるからだろう。「プロ野球選手だって例外ではない。一般人と同じように生活の不安を感じているのだ」というわけだ。

 だが、冷静に考えてみると、アンケートでこうした回答が多くなるのも当然だ。優勝劣敗が明確に表れる世界。去年活躍できたとしても今年も同じ成績を残せる保証はないし、大ケガでもすれば戦力外通告も覚悟しなければならない。

 もちろんトップ選手は、サラリーマンの平均生涯賃金(大卒で約2億8千万円)を1年で稼いでしまう。また09年の日本人全選手の平均年俸は3千793万円。これも一般人から見れば、うらやましい額だ(税金で多くを取られるから、この金額を手にするわけではないが)。

 だが、働ける期間は短い。過去の引退選手から算出したプロ野球平均在籍年数は8.5年。10年働ければいい方で、多くは実動6~7年で球界を去る。ところが若くして高給をもらうものだから有頂天になって高級外車に乗るなど生活は華美になる。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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