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China Report 中国は今

“瀕死”の日本ノンバンクにとって、中国市場は活路となるか

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第34回】 2009年9月17日
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 過払い金返還請求、資金調達難、総量規制をうたった改正貸金業法――。瀕死状態にあるとも言われる日本のノンバンクにとって、中国における消費者金融の解禁は渡りに舟となるのだろうか。

 中国は今夏、消費者金融業(ノンバンク)を試験的に解禁する管理規則を発表した。上海、北京、天津と四川省成都の4都市での実験を経て全国に拡大する考えで、外資企業にも門戸を開放する。すなわちこれは、日本のアコムやプロミスのようなモデルが中国でも認められたことを意味する。

 直接的な背景には、金融危機をきっかけに落ち込んだ消費のてこ入れがあるのだが、中国銀行監督管理委員会(以下、銀監会)は07年から消費者金融業の研究を行ってきた。その管理規則となるのが、「消費金融公司試点管理弁法」(消費者金融企業テスト管理規則)だ。

 8月13日、銀監会が行った記者会見では、「預金機能はなく、小額、分散を原則に、中国国内在住者に消費を目的として貸し付けるノンバンク」という中国の消費者金融業態の定義を説明。出資条件として、「5年以上の消費者金融業界での経験、直近1年の資産総額は600億元以上、2年連続経常黒字、駐在員事務所を2年以上設けている」ことなどが挙げられた。資本金は最低で3億元が必要となる。

 日本のノンバンク某大手はすでにこの基準をクリアしており、進出しようと思えば決して不可能なことではない。消費意欲の旺盛な市場で一旗揚げることもできるのだが、予想に反してそのコメントは「この“弁法”が公布されたからと言って、すぐに手を挙げることはないでしょう」というものだった。

ギャンブルや薬物購入に
利用されるリスク

 実は、この中国における消費者金融については否定的な意見を多く耳にする。

 ある中国人エコノミストは、「中国はギャンブル好きが多い。借りた金は麻雀などに使われてしまう可能性がある」と懸念する。一刻も早く資金を得たい――中国の場合、早急な資金需要のほとんどの動機が、ギャンブルや薬物購入だというのだ。

 確かに銀監会もそれを大きなリスクのひとつとしてとらえている。テスト管理弁法では、消費者金融の主要業務を「個人の耐久消費財への貸付および一般用途の個人消費への貸付」と限定しているが、「一般用途」で得た資金が株や不動産、賭博などに流れることを防止するため、いくつかの策が練られている。「利用者はまず家電や電子機器などの耐久消費財での返済で信用を得て、初めてローンが組める」とする段階的措置を講じたのは、その現れでもある。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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