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三谷流構造的やわらか発想法

「答え」を内と外、どちらに求めますか?

~SF小説、リーマン予想、高速電波バーストから見えること

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第113講】 2015年5月28日
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SF 小説『コンタクト』の示す究極の答え。
それは外から電波に乗ってやってきた

 1997年、主演ジョディ・フォスターで映画化された『コンタクト』は、その名の通り、地球外知性とのファーストコンタクトを描いた作品です。

 原作者のカール・セーガン(Curl Sagan、1934~96)はアメリカの天体学者で、科学の啓蒙(*1)と惑星探査や地球外知性探査(SETI)に力を注ぎました。彼が企画・編集・出演したTV番組シリーズ『コスモス(宇宙)』(全13話)は大成功を収め、天文学への公的予算獲得に大いに貢献しました。1980年のことです。

 その彼が、世の人々に地球外知性との邂逅について問いかけたのがこの『コンタクト Contact』(1985)でした。

『コンタクト』新潮文庫:三谷所蔵

 天文学者であり暗号の天才である主人公エリナ・アロウェイ(エリー)は苦労の末、宇宙からの人工的な信号を巨大な電波望遠鏡で捉え、その解読に成功します。そこには設計図らしきものが何重もの階層に分かれて隠されていました。それはある種の挑戦状のようでした。「この問題がキミたちには解けるかな? 解けたなら、ここまでおいで」

 人類はその指示通りの巨大マシンを完成させ、エリーもそこに搭乗員として乗り込みます。

 ついにそのマシンが発動したとき、エリーは地球外知性のファーストコンタクトを果たします。そしてその者によって、この宇宙の秘密が語られるのです。「われわれが気がついたとき、すでに宇宙をつなぐネットワークは存在していた。われわれはそれを管理・運営しているに過ぎない。この何億年間の間」「つまり、この宇宙はある者によってつくられたものなのだ」

 人類は問い続けています。「この宇宙はいつどうやってできたのか?」

 その答えを外に求め、電波望遠鏡で彼方からのメッセージに耳を傾け続け、そしてその答えを得ました。「この世はある知性によってつくられた」という。

*1 セーガンは、一部の科学者たちから「科学を単純化しすぎている」との批判を受けることもあったが、「科学者たちが考えているより、民衆は賢い」と反論した。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

「三谷流構造的やわらか発想法」

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